ギャルの流行語が意外とオヤジになじむ件

  • 2019/01/02
  • ライフスタイル・娯楽
  • 396view
  • 八神千鈴
タグ

2018年の流行語、どれくらいわかりましたか?

2018年の流行語、どれくらいわかりましたか?
その年の世相がわかる流行語大賞、2018年の大賞は「そだねー」でしたね。もはや説明の必要はないかもしれませんが、これは平昌オリンピックに出場した女子カーリングチームのロコ・ソラーレがメンバー同士でお互いにかけあっていた言葉。緊迫した試合が続く中で、この「そだねー」や輪になっての「もぐもぐタイム」が登場するたびに癒された方も多いのではないでしょうか。

このほかトップテンには、コンピューターゲームの対戦をスポーツと捉えてプレイや観戦を楽しむ「eスポーツ」や、FIFAワールドカップで活躍した大迫勇也選手が高校時代にライバルから敬意を込めて発せられた「(大迫)半端ないって」が入ったほか、夏の高校野球大会で奇跡の快進撃を見せた金足農業高校の「金足農旋風」など、2018年はスポーツに関する言葉が多くノミネートされました。
……などと世間は盛り上がりましたが、「自分は流行語なんて興味がないしよくわからない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし実は、そうやって「世間一般」に染まっていないほうがおもしろいかもしれません。

価値観が多様化している現在、流行語はさまざまなカルチャーや年齢層によって大きな違いがあります。そして、中でも刺激的なのが「ギャル」と呼ばれる元気な若い女性たちの流行語。世間一般の流行語に飽き飽きした方たちも、ギャルの流行語には新鮮さを感じられるかもしれませんよ。

 

「世間一般」とまったく違うギャルの流行語

一般的に流行語大賞というと、「現代用語の基礎知識」を発行する自由国民社が選定しており、通信教育会社のユーキャンがスポンサーとなっている「ユーキャン新語・流行語大賞」を指すことが多いです。しかし近年ではこの賞以外にも流行語大賞が登場しており、ギャルの流行語はギャル向けエンタメ情報サイトであるGRPの「ギャル流行語大賞」で選定されています。
こちらの流行語はトップ10形式で、2018年の1位は「いい波のってんね~」、2位は「好きピ」、3位は「あげみざわ」となりました。世間一般の流行語とまったく違いますし、意味も使うシチュエーションもまったくわかりませんよね。

1位の「いい波のってんね~」は、現在ギャルの間で人気のスマホ向け動画アプリ「TikTok(ティックトック)」で定番となった、ダンスユニット・ファッキングラビッツの曲の1フレーズ。軽快なパラパラの振り付けとともにこのフレーズの口パク動画を投稿することが大ヒットしたのです。2位の「好きピ」は「好きなピープル」の略で、「好きな人」や「本命の異性」を指す言葉です。そして3位の「あげみざわ」はテンションが上がるという意味の「あげ」が「あげみ」となり、さらに進化した形。現状での「あげ」の最上級といえるでしょう。
「あげみざわ」はユーチューバーのけみおさんが生みの親といわれており、ネットのカリスマから流行語が誕生する点はいかにも現代的ですね。

 

ギャルの流行語は意外とオヤジギャグっぽい

興味深いのは、4位に入っている「映え」です。これは世間で悪名高い「インスタ映え」の簡略化と考えられますが、最近のギャルの間ではインスタに投稿するもの以外でもかわいかったり見栄えがよかったりするものは「映え」と表現します。TikTokのヒットにより、ギャルの間ではインスタグラムがすでに一昔前のツールという扱いになっていることもこのような表現の移り変わりと関係しているでしょう。世間一般ではいまだにインスタ映えがもてはやされる一方で、若者の流行の回転はとても早いことがよくわかります。

そして、8位に入っている「ミートテック」は、ユニクロの人気防寒シリーズであるヒートテックをもじったもの。皮下脂肪=贅肉を自虐的に表現した言葉で、少しオヤジギャグに通じるところもあります。
実は「あげみざわ」もTHE ALFEEの高見沢俊彦さんの名前をもじったのではないかという説があり、ギャル語は意外とノリと勢いのオヤジギャグのような部分があります。そう考えると、意味不明なギャル語にも親近感がわいてきますよね。だからといって若い女性にオヤジギャグを披露しても引かれてしまいますが……。

親族の若者と会う機会も増える年末年始、このような流行語をネタとして話せると、手頃なコミュニケーションツールとして使えるかもしれませんよ。1

この記事の作者

八神千鈴
八神千鈴
編集プロダクション、出版社の編集者を経てフリーライター。現在は歴史系記事をメインに執筆。それ以前はアニメ、コスメ、エンタメ、占いなどのメディアに携わってきました。歴史はわかりづらいと思っている方にもわかりやすく、歴史のおもしろさをお伝えしたいです。
up 八神千鈴
八神千鈴

週間アクセスランキング

    ページTOPへ
    ページTOPへ