地震に備えるとはいつ地震が起こるかを知ることではない
- 2018/06/28
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起きない地域で起きた震度6の「激震」
6月18日に大阪府北部を襲った地震(以後仮に大阪北部地震と呼ぶ)では再び尊い命が失われ、大阪府民、周辺県民にも大きな被害と不安を投げかけた。
とくに大阪府民の間には「ここは意外と大きな地震がない地域」という暗黙の了解があったらしく「やはり地震はいつどこでも起こるもの」と改めて心に刻んだ方が多かったようだ。
さて日本では将来起こりうる大地震に対する関心が高く、今回も大阪北部地震があの南海トラフ巨大地震に結びついている活動なのではないかと、注目を浴びている。
マスコミも一斉に2つの地震の関連性を採りあげ、地震の専門家たちは対応に忙しい模様だ。
しかし中には「?」と首をひねりたくなる内容の記事も散見され、これを読んでどう理解しろというのか伺いたくなるレベルの代物さえ検索の上位に並んでいる。
「ここ30年には必ず」?「可能性を捨てるべきでない」?
日本人なら誰でも地震の怖さは身をもって体験しており、次に地震の来る場所と時間を知りたいと常に願っている。
知ったからといって想像される震度に対応するのは並大抵のことではないが、それでもできるなら事前に知りたいと願うのが普通の考え方だ。
言葉は悪いが、そこにつけ込む興味の引き方をする記事が地震以来ごまんと存在する。それで目にとまるならいくらでも何度でも書いて掲載し、アクセスを集めようという意図が見えるものもある。
決まり文句はいつもこうだ。
「ここ30年内には必ず南海トラフが…」
「信じるか信じないかはあなた次第だが…」
「その可能性は否定できない…」
ずいぶん回りくどいことをいう学者だと思えば、プロフィールには自称オカルト研究家とあって、すべて納得である。
日本人だから間違える予測の捉え方
地震に関心が高い日本では最近、どうやら地震が起こる場所と時間を正確に「予知」することは難しいということが知られてきた。
また今まで熱心に地震予知に心血を注いできた専門家の一部も「予知研究が間に合わないまま次の地震が来てしまう可能性さえある」「予知の数字こそ人々を惑わす元凶」と表明している。
数字に強い日本人は地震が起こる「確率」を見て、10%なら安心で70%なら危険と「直感で」判断しがちだ。
が、実際は先頃の熊本地震を見てもわかるように、たった数%の確率と計算された地域が震度6以上の被害に遭うこともある。
「ここ30年で70%の確率」という有名なフレーズを日本人は正しく読んでいるだろうか。
もはや「当たるも八卦当たらぬも八卦」のギャンブルをしている時ではない。
明日にも、自分の住んでいる地域で、地震は起こると考えて対策を立てていこう。
それこそが「地震大国」日本に住む心構えなのだ。
今そこにある危機に備えよう
今回の大阪北部地震でもクローズアップされたように、地震の時に私たちの命を奪いそうなものは、意外と身近に存在する。
▼背丈より高くそびえる鉄筋の入っていないブロック塀
▼ぎゅうぎゅうに物が詰め込まれた本棚
そしてこれらのことは
▼数十年前から口を酸っぱくして言われてきた基本中の基本「危険物」
である。
お上は「ブロック塀が壊れた」といえば「ブロック塀を点検しろ」としか通知を出さないが、備えとはそういうものではない。
▼自分の頭より上にある頭より重い物
これはすべて災害時の「凶器」になるし、
▼年代の経った物から順番に壊れる
これも避けようもない事実だ。
まずは身の回り、家の表通りなどにそういった危険な箇所がどれくらい残り、排除されないでいるかを確認しておきたい。
個人では力の及ばない場合は、ひまそうな地区の議員たちに働きかけるのも良かろう。
地震に関しては「100年先の100万より今日の1を大切に」の心構えで、今日からその時に備えたい。