結婚前の約束はどこまで守られるべきなのか
- 2016/11/06
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結婚も契約のひとつであるという考え方
男女が結婚にいたる理由はさまざまあります。
・好き同士で一緒にいたいから
・子供ができたから
・経済的に一体化したほうが楽だから
・相手に泣いて頼まれたから
・政略結婚
理由はなんであれ、結婚もひとつの契約には違いありません。そこで、結婚するに当たっていろいろと約束事を決めるカップルも増えています。子供じゃないし、他人同士が一緒に生活するなら細部まですり合わせておく必要があると考えるのも自然な流れです。
特に、結婚の決め手となるような条件が存在する場合は、その条件が覆されたのではたまりません。
とはいえ、離婚など当たり前のような状況になっている社会において、結婚前の約束に意味があるのかという疑問も沸いてきます。いや、結婚前の約束が守られないからこそ離婚になるのだという意見もあります。
しかし、そんなに守られないならそれこそ無意味という反論も出る始末です。
さて、実際のところ結婚前の約束はどこまで守られるべきなのでしょうか。契約は守るのが当たり前であり、こんな話になること自体が狂っているのかも知れません。それでも、人間には事情というものがあります。
約束を破るにはそれだけの理由があるはずです。
有効な約束と無効な約束
カップルによっては、正式に結婚契約書なる書面を交わす場合があります。口約束よりも意識の上でしっかりとした確認の意味を持ちますし、言った言わないという水掛け論を回避する手段になりますので、できれば作成しておきたいものです。
ただ、いくら書面に書いてあってもすべてが通用するわけではありません。法に触れる内容や一般社会通念に照らして認められないような事柄、公序良俗に反する契約は駄目です。
たとえば、配偶者の一方が負担ばかり強いられる内容では、いくら両者の合意があったとしても効力を持たないと判断されることが多いでしょう。
そもそも論として、夫婦間の契約が反故にされるきっかけとしては、結婚当時の感情と異なる感情を持つことといえます。相手の不誠実な態度が続いたのであれば約束を守る気がなくなっても仕方ありません。
相手に何の問題もなく、単に自分が心変わりしただけというケースもあります。この場合も、変わったものは元へは戻りません。
つまり、約束は守られるべきではあるが、夫婦の関係は時間とともに変化する可能性を持っているのです。その結果、契約違反があった場合は責任の度合いに応じて損害賠償、慰謝料の支払いで対応するくらいしかないのです。
有効な契約に対してどの程度の不法行為があったかが問題となります。味気ない話になりますが、夫婦であっても最後は金銭で始末をつけるしかないのです。他人の心は縛っておけないという大前提がある限り、結婚前の約束は関係が良好な時に守るものでしかないのです。極論すれば、約束する意味がないということになります。
ただ、約束がどうこうではなく、愛し合って?一緒になった以上は、お互いを思いやって良好な関係を維持する努力こそが必要なのです。オヤジがんばれ!