年明けの初詣の正しいやり方ってあるのか?
- 2018/12/28
- ライフスタイル・娯楽
- 265view
- 教養/知識
- イベント
- 年末
- 教養
- 正月
- 知識
- 神社
実は難しい?初詣っていったい何だろう
年の初めに、良い一年であるように願う初詣。ある統計によると、毎年1億人近い人が出かけるといいますから、日ごろ神仏に対して何の思い入れもない人でも、初詣は別と考えていることがわかりますね。
しかし改めて、初詣とは何だろう? と、考えてみるとわからないことだらけ。
手元の辞書によると、初詣とは「大晦日の夜半から元日にかけて、所の氏神に初参りすること」とありますから、正しくは「氏神」様にお参りするものなのでしょう。となると、今度は氏神がわからない。いやぁ、初詣って難しいですね。
氏神様がわからないなら「神社庁」に問合せを
氏神とは、同じ地域に住んでいる人が信仰している神様のこと。現在では地域を守っている「鎮守神」も、同じような意味で使われています。つまり「むーらの鎮守の神さまの♪」と、童謡「村まつり」でも歌われている、集落ごとにある様な神社に氏神様がまつられているということ。氏神を信仰している人たちを「氏子(うじこ)」と呼びます。
しかし近年、増えているのが新興住宅地。近所に神社がないケースも多いですし、住む人たちも、どこかの氏子になっている自覚もないはず。「氏神もなにもないだろ?」と、思うかもしれませんが、意外なことに地域ごとに氏神様は決められているもの。各都道府県にあり、地域の神社を包括している「神社庁」に問い合わせてみると教えてくれるのです。
では今年の初詣は、地域の氏神様を調べて参拝することにしましょうか。
一年の無事を祈るのに、神も仏もないのです
その一方でWikipediaには、初詣とは「年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝する行事」と書かれています。「あれ、神社に参拝するのが正しい初詣では?」と思うかもしれませんが、日本の仏教の歴史は「神仏習合」という言葉でもわかる通り、神道との融合の歴史。1868年に明治政府が「神仏分離令」を出すまで、両者は同じように信仰されてきました。
本来ならば氏神様に参拝するのが初詣ですが、別にお寺でもかまわないよ。というのが最近の初詣のスタンス。
時代とともに移り変わるのが初詣。例えば江戸時代には、その年の恵方(2019年は東北東です)にある寺社に参拝するというのが正しいとされていたといいますし、東京の明治神宮などのように、一カ所にドッと初詣に繰り出すようになったのは、戦後に広まったこと。
時代によって、このようにバリエーションがあるのですから、どこに参拝するのも自由と考えて良さそうです。
神仏のお心が、狭くできているはずがないのだ
ならば、いつまでにいくのが正しい初詣なのか?というと、これもはっきりとしていないもの。ある調査によると、1日に参拝する人は33%、3日までに参拝するという人とあわせると、65%にも上りますから「正月3が日」にいくのが正しい初詣ということになりそう。
遅くても正月飾りが残っている「松の内」までには参拝したいよな、と思って調べていたところ、この松の内の考え方は関東と関西では違うとか。
関東では7日まで、関西では15日まで。なぜ、関東と関西で松の内の期間が違うのか? というと、江戸時代に幕府が7日にしろというお触れを出したからだとか。現在の東京では広まり、関西では広まらなかったという理由らしく……こうなると参拝する日付すら、いつが正しいのかもわからなくなりますね。
ならば「一年の最初に参りたいところに出向き、平穏を祈願する」=「正しい初詣」
もう、これでいいのではないか?と思えてきます。だって別に間違っていたからって、祟ったり、罰を与えたりするほど、神仏は心が狭いとも思えませんから。