なぜ今になって、脱プラスチックストローへの動きが加速しているのか?
- 2018/09/21
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外食大手がプラスチックストロー廃止を発表
「プラスチック製のストローを、近い将来に廃止する」
こんな方針をスターバックスとマクドナルドが、相次いで発表したのは今年の7月。日本の大手外食チェーンも追従する姿勢を見せています。
「ストローを使わないのが、環境のために我々ができる最もよいことだ」
スターバックスは、こんなコメントを出しているのですが、話によると世界中に2万8,000店あるスタバで使われているプラストローは、年間で10億本に上るとか。それだけの量が廃棄されれば、確かに環境に大きな負荷がかかるでしょう。
こんなニュースが報道されるたびに、鼻にストローが刺さったウミガメの映像も流されたりして、その深刻さも伝わってくるのです。
こんな動きを見せているのは企業だけではありません。
来年からカナダ・バンクーバーでは、使い捨てプラスチックの使用が全面禁止されるといいますし、アメリカ・シアトルではすでに、プラストローの店舗での提供が禁止されています。またEUでも使い捨てプラスチックを禁止する法案が検討されているのです。
不思議なのは、なぜ廃止が「今」なのかということ
「プラストローが自然界では分解されないから、何か手を打たなければならない」
こんな話は環境意識が低い、私、アントニオ犬助でも充分に理解できるのです。でも、どうしても引っかかるのは「なぜ、今なのか?」という点。
プラゴミに傷つけられたウミドリやウミガメの姿がSNSを通じて拡散されて世論を形成したから。SNSを多くの人が使用している現代だからこそ、問題が顕在化したのだ。なんていっている人もいますが、犬助はそうは思わない。
だって環境意識が低い犬助ですら、プラゴミが自然環境に悪影響を与えていることぐらい、何10年も前から知っていたから。そんなものSNSが使われるずいぶん以前から、散々耳にしてきたではないか? と思うのです。
だからこそ今になってなぜ、数々の企業や国、街が大騒ぎし始めたのかが理解できないのです。
プラストロー廃止の裏側にいたのは中国だった
と思って調べていくと、意外にカンタンに答えが見つかりました。
中国が昨年12月から、廃プラスチックの輸入に制限をかけています。
2016年に中国が輸入していたプラゴミは実に730万トン。これをリサイクルして再生プラスチックとして利用していたのですが、問題となったのがリサイクルの際に出る汚染物質。これが中国の環境に深刻な影響を与えるということで、プラゴミの輸入に制限をかけたのです。
ちなみに730万トンのプラゴミはどこから来ていたかというと、日本が14%でトップ。続いてアメリカが10%、タイが6%、ベルギー、ドイツなどが5%といった具合に、世界中から中国へプラゴミが集まってきていたのです。
結局、費用を負担するのがイヤなだけじゃないの?
日本でもこの影響は深刻であり、主に産廃業者がダメージを受けています。
今までは中国が買ってくれていたプラゴミを、何とかして自分たちで処分しなければならない。そこで費用が発生するからです。
そして、その費用を将来的に負担するのは産廃業者の顧客たち……つまりプラゴミを出す側、例えば大手外食チェーンです。この状況はアメリカでも同じでしょう。
これでなぜスターバックスやマクドナルドが、今になってプラスチック製のストローを廃止すると言い出したかがわかってもらえたはず。
プラゴミの処分費用を、自分たちで負担するのがイヤなだけなのです。
にもかかわらず、環境がどうとかコメントを出す白々しさ。
何というかまた、大人の汚さを知った犬助なのです。その一方で「やらない善より、やる偽善」なんてフレーズも頭に浮かんだりするのですが……その裏側で中国のプラスチックリサイクル業者やプラストローを製造している会社は大泣きをしているのだろうな……と。
関わる人全てにとってプラスになることって、ないものですかね。
それこそ偽善でも何でもいいですから。