遊郭で遊ぶのに、必要なお金はどれぐらいだったのか?

  • 2017/10/29
  • ライフスタイル・娯楽
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  • アントニオ犬助
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そもそも遊郭(ゆうかく)とは?

江戸時代の芸妓遊びは、もっとお金のかからないものだったのかも

昔、先斗町のお茶屋で客引きにあったという話は別稿に書いた通りなのです。
どう見ても貧乏学生だった若き日の犬助に声をかけた、お茶屋のお婆さんの意図はどこにあったのか? お茶屋で芸者や舞妓をあげて遊ぶ財力など、昔はもちろん現在の犬助でも持ち合わせていません。
思い起こすたびに、本当に謎な出来事だったのです。
お茶屋が軒を並べる花街は、お金持ちしか遊べない場所……と、思っていました。

しかし落語などを聞いていると、貧乏長屋に住んでいるはずの主人公の会話に遊郭とか廓(くるわ)が登場する。これは、どういうことでしょうか? 江戸時代の芸妓遊びは、もっとお金のかからないものだったのでしょうか?

庶民も花街で楽しむことが出来たのか?

まず、ここで間違ってはいけないのは遊郭・花街=芸妓遊びではないということです。
花街とは今で言う歓楽街、大人のアミューズメントパークみたいなものですから、もっと門戸は広く開けられていました。

お金持ちはお茶屋に芸妓を呼んで大散財、一方庶民にも、それなりの楽み方ができたのが花街。
様々な階層向けに序列が設けられている遊び場を、ひとところに集めたのが花街だったのです。

太夫さんと「遊ぶ」となると……

太夫を頂点として、ピラミッド状に花街の女性たちには序列があった

花街で最もお金がかかる遊びが、今も昔も芸妓遊び。歌や踊りに秀でた女性の芸を見て、飲んで食って……という遊びです。
ホステスさんを大量に指名して、テーブルに侍らせて飲んでいる……今でいうとこんな感覚。
いくらそこで金を使おうとも、ホステスさんと一夜を共にすることはできないのと同じように、芸者さんともっと楽しいことがしたければ、指名を繰り返す必要がある。

芸者の中でも、序列が高い「太夫」クラスになるともう大変。お座敷に呼ぶにしても、決して一人で座敷には来ない。芸者になる前の舞妓やら、男芸者・太鼓持ちやら10人以上は引き連れて登場するというのです。
そして、呼んだ方は当然ながら、太夫が引き連れてきた人たち全てを飲食させなければなりませんし、チップも弾まなければいけない。なぜなら、それぐらいしないと太夫の気を惹く事ができないから。

……まあ、一説によると数100両という費用がかかったといいますから、今のお金で数100万円。そこまでやっても、太夫が自分を気に入ってくれるかどうかは別問題。
太夫とお客の関係を超えられるかどうかは、お客側の器量にかかっているというのは、ホステスさんとお客の関係に似ている。まあ、かかる金額はとんでもなく違いますけれど。
そんな太夫を頂点として、ピラミッド状に花街の女性たちには序列があった。

階層の下の方ならば、落語に出てくる庶民の所持金でも充分遊ぶことが出来たという具合です。

芸は売っても、体は売らない

太夫を頂点とする芸妓は、芸は売っても体は売らない

さて近年では中国の大金持ちが京都などの花街で、大枚はたいてお座敷遊びを楽しんでいるという話を聞きます。そして彼らがしがちな大間違いなのですが、金さえ積めば芸妓と一夜を共に出来ると思っているというのです。

太夫を頂点とする芸妓は、芸は売っても体は売らないというのが身上。
彼女たちが体を許すのは、この人と彼女たちが思った人のみというのが基礎知識。これを誤ってしまうと、この上なく無粋なこととなってしまいます。
庶民向けの芸妓でも、やはり気に入った人しか相手にしないというのは当然。
遊郭通いで悲喜こもごもの事件が起こると、落語になるということですね。

まあ、何かの機会でお座敷遊びをすることになった場合のご参考までに……。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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