今からでも「戦争学」を学ぼう、そして学ばせよう
- 2017/09/19
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学校で戦争は学んでいない
小学校、中学校と戦争については毎年、8月に1日だけ通学して平和授業と言うのを受けたくらいしか記憶の無いのではないでしょうか。
それもビデオや講話などであっさり下校していただけだったのではあまり印象にも残ってなくても仕方も無いでしょう。
大学に行かれた人でも教養課程で国際関係論とかで少し触れられるくらいのものでした。
その結果、最近の国際紛争の激しさにもどうにもピンと来ない大人でいっぱいになっています。
それは子どもにも伝わりますのでこうなるともう戦争の原因など考察に及ぶ事もありませんので到底、解決策などが湧き上がろうはずも無いのです。
ところが海外では違います。
アメリカのハーバード大学を始め、ボストン大学、イギリスのオックスフォード大学、ケンブリッジ大学など有名大学であればあるほど戦争をテーマにした講座が開かれているのです。
戦争がいかに身近に起こり得るものなのかを熟知する機会がそこにはあるのです。
ハーバード大学での戦争学
アメリカが世界に誇るハーバード大学では選択制ではありますが、戦争に関する専門的な講義が行われています。
今でも戦争と切り離せないお国柄であるからかもしれませんが、以下のようなもので日本でも一目置くべき内容となっています。
日本人には軍事関係者でも無いのにこれだけの内容に意味があるのかとさえ思われるほどのレベルとなっています。
まずは過去の世界で行われた戦争について歴史を探ります。
戦争で使われた兵器がどう変遷していってどれだけの戦力となっていったのか、それにより戦術はどのように変化していったのか。
アメリカにおける過去から現在までの国防政策を外交政策と絡めて把握します。
軍の組織はどういうコンセプトに基づいて構築しているのか。
局地戦と全面戦争との意味とその問題点はどこにあるのか。
・戦争を知れば平和を知れる
戦争学になぜこれだけの地位があるかと言うと、欧米諸国はそれだけ戦争を反省しているからです。
これは例えばがんから生還した人ががんについて勉強するようになったり、あるいは医者を志したりするのと同じ領域にあります。
日本ではなぜ戦争学がポピュラーでないのか
日本は世界でも原爆など他国に例をみないほどの戦争による大きな被害を受けた国です。
ところが日本では戦争学などはほぼ聞いた事も無いでしょう。
それと言うのも、あまりにも被害が大きく平和学こそあっても、戦争を研究するなどは国を挙げてタブー視しているのです。
・戦争学があれば戦争をせずに済む
戦前の日本においても戦争を正しい知識として得る機会は誰にもありませんでした。
かくして日露戦争の延長のように鬼畜米英と叫びながら開戦に及んでしまいましたし、ほぼ誰もが止めようともしなかったのです。
いくら戦争を避けようとしても、ただ平和の大切さを訴えるばかりではどこか感情的で刹那的な教育の感もあります。
治安が騒々しくなった昨今だからこそ、もっと西欧諸国のように戦争と真正面から向かい合える教育に切り替えてもらいたいものです。