高校入試に英検で加点の非常識?

  • 2017/07/28
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福井県立高校で入試に異変が

福井県の高校入試に異変が起きています。特定の条件を満たす者について、点数を加算する制度を導入するというのです。その条件とは、実用英語技能検定の級を持つことでした。いわゆる「英検」と呼ばれている検定試験で、受験した経験のあるオヤジもそれなりにいるでしょう。

福井県の高校入試に特定の条件を満たす者について、点数を加算する制度を導入

福井県では、2018年度の県立高校入学試験から、英検3級以上の取得者に加点する制度を開始します。3級よりも準2級を、準2級よりも2級を優遇するとされています。しかし、県立高校でこのようなことが許されるのでしょうか。しかも、現在ではほぼ義務教育の延長にある、行って当たり前の高校です。

当然のように、疑問を唱える人々が出てきました。さらに、福井県議会でもこの制度にNOを突き付けています。だったら問題ないじゃん?と思うところですが、入試制度の決定権は県議会にはないとのこと。つまり、県のあり方を決める議会の意思とは関係なく、教育委員会サイドで決定することができるのです。

さて、この加点制度の具体的な問題点を確認しておきます。
まずは、英語だけに設定されている優遇措置である点です。入試の対象となる全教科が対象であるなら、まだましですが、特定の教科だけに加点を行うのは同じ土俵での戦いを否定する不当な扱いと考えられます。

英語だけに設定されている優遇措置という問題点

なぜ英検2級なのか

さて、この加算制度にはもう一点、とんでもない事実があります。高校入試である以上は、中学で習う範疇の学力考査であることが前提です。ところが、英検で中学卒業程度なのは3級です。準2級や2級は高校2年レベル・高校卒業レベルの検定であり、これを取得しているならば、高校での英語教育を受ける必要が「学力のうえでは」ほぼ必要ないことになります。

完全に高校教育を否定する仕組みを高校受験に取り入れているのは、いったいどのような意図があるのでしょうか?勘違いしてはならない点として、高校はどこまで行っても高校であり、高校卒業程度の実力を持つ人間が入学したからといって、大学レベルの授業を用意できるわけではありません。

この一点だけをとっても、この施策の異常性がわかります。勿論、何事にも賛否両論があり、本件でも賛成者はいます。また、既に英検各級を取得している受験生サイドには、反対する理由がないと考える人もいるでしょう。

さらに、英検は国家試験でもなんでもない民間の検定試験です。受けるかどうかは個人の自由です。しかし、その級を持っているかどうかが高校受験の有利不利につながるのであれば、英検受験へ向けた無言の圧力になりかねません。

・民間検定
・有料検定
・検定試験の受験日が限られる
・検定試験の受験地が限られる

これだけのハードルが全部なくなれば優遇措置もありかもしれませんが、ひとつでも残る限りは県立高校の受験でやって良いことではないと考えるのも当然です。

例えば、電車の本数が少ない田舎の中学生が受験地へ向かうのと、受験会場の近所に住んでいる中学生のそれとでは、所要時間も交通費も大きな差があります。自分の都合で受けるなら仕方ありませんが、受けたくもないのに高校入試に不利になるから受けざるを得ない前提で、この差を許容できるでしょうか。

このような施策は他の地方にも存在する

グローバル化の言葉を理由にするのであれば、英語専門高校を作る方が妥当かもしれませんし、高校での英語教育を充実させる方が先決と考えられます。議会も本当に反対なのであれば、条例を作って対抗する力があるはずです。

このように、高校の役目を中学生に負担させることになりかねない施策があるなら、県民か否かにかかわらず、オヤジとしては、福井県での子育てを躊躇することになりかねません。実は、このような施策は他の地方にも存在するようです。子育て中のオヤジは、自分の都道府県や市区町村で「おかしなこと」が進んでいないか注意しておく必要がありそうです。

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