バーゼル新作「GMTマスターⅡ」に見る、時計業界の異常性
- 2018/04/13
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今年も開催!!バーゼル・ワールド
毎年この季節になると、時計好きが注目するのは「バーゼル・ワールド」。数々のブランドが新作を発表する、スイスで開催される業界最大の展示会です。近年では「ジュネーブサロン」など他の展示会も勢いがありますから、昔ほどのものではないとはいえオメガ、タグホイヤー、パテック・フィリップなど錚々たるブランドが顔をそろえるという点ではバーゼルは随一、今年も大盛況でした。
そんなバーゼルワールドで、やはり人気なのがロレックスのブース。中でもパイロットウォッチ「GMTマスターⅡ」のステンレスモデル新作には、多くのバイヤーたちが熱い視線を注いでいました。
GMTマスターⅡ、新しくなったでしょ?
そんな「126710BLRO」、どんなところが新しくなったのか?
GMTウォッチのアイコンでもある24時間表示が刻まれたベゼルが、青×赤に塗り分けられました。ちなみに現行のステンレスモデルのカラーリングは青×黒、もしくは黒一色。青×赤のカラーリングは上位モデルである、ホワイトゴールドにしか用意されていません。
現行のベゼルは、キレイな着色が難しいとされるセラミック製。だからこそエントリーモデルに位置づけられる126710BLROで、高価格帯のモデルでしか用いられなかった、青×赤のカラーリングが実現したことに驚いているファンも多いことでしょう。
そして、ベルトが3連のオイスターブレスから、5連のジュビリーブレスへと変更。より、ラグジュアリーさが増しました。世界を駆け巡る国際線のパイロットの腕に輝くのに、ふさわしい仕上がりとなっています。
また、心臓部であるムーヴメントも「キャリバー3285」へと一新、パワーリザーブも現行の48時間と比較すると70時間と、飛躍的な伸びを見せているのです。
モデルチェンジと同時におこなわれるイベントといえば
……なんて、熱くなっているのは時計好きだけ、中でもロレックスの相当なファンだけだと思うのですがいかがでしょうか?
だって、ベゼルの色やブレスのデザインが変更になったからといって、時計に興味がない人たちは、まず気が付かないはず。目にしたときの反応は「ふーん、高そうな時計をはめているねえ」といったもので、これは最新のモデルであろうと、2000年代に製造されていた「16710」であろうと変わらないのです。
そんな小さなモデルチェンジにもかかわらず、ロレックスがしっかりとおこなってくるのは値上げです。126710BLROの定価はまだ発表されていませんから犬助の推測になるのですが、現行のGMTマスターⅡが86~91万円という定価ですから、恐らく100万円は下らないはず。ステンレスでできた時計の価格が100万円超!! これって、異常だと思いませんか?
20年間で定価が倍になる業界に未来はあるか?
ちなみに2000年代に製造されていたGMTマスターⅡの定価は48万円でした。
それがマイナーチェンジを重ねることにより、遂に(推定)100万円越えをするという。これもやっぱり異常だと思うのです。でも、定価を設定するのはロレックスの勝手。高いと思ったら買わなければいいだけなのですが、それを買ってしまうから段々と定価が上昇して
いく。最も異常なのは、それを是とする市場だと思うのです。
同様に中古価格もうなぎのぼり!!2000年代の16710を中古ショップに売りにいけば、定価を上回るオファーを受けることは間違いありません。そして16710には126710BLROで採用された青×赤のカラーリングのベゼルが装着されていました。ですから、青×赤のカラーリングの人気次第では、まだまだ値上がりしかないのです。
しかしなあ、たった20年程度で倍以上になる価格って、やっぱりおかしいなと思うのです。例えばモデルチェンジを重ねた車だとしても、同じ名称で呼ばれている車の定価、例えばカローラの定価が倍以上になったとたらどうでしょうか? さすがにそれは違う!!と思うはずなのですが、ロレックスについては誰も違うとは思わない様子。そして、それに他のブランドもならって軒並み値上がりに踏み切るのが時計の世界。
そりゃあ、誰もが「スマホで充分!!」っていいますよね。このままでは時計離れが進む一方、そして少なくなったファンから搾り取るために、更なる値上げ路線を突き進む未来しか見えないのですが、いかがでしょうか?