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豪州政府に流れる中国マネーに待った!多額の献金を行って金返せと叫ぶ中国人実業家・国外退去

  • 2019/03/05
  • ビジネス
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  • 沖倉 毅
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豪州に本社を置き事業を営んでいた中国人実業家に対し、豪州政府が、国外退去処分を下した。

同国の貿易利益の4分の1を中国が占め、豪州は経済面では中国人実業家に対し、同国での会社経営は歓迎している。
だが中国人実業家が、政治面に絡んでくる事に関して眉をひそめたのが事の発端だ。

中国側も、米国に次いで豪州と、英語圏の国に貿易面で締め出されるのは痛手にならないのだろうか。

 

豪州政府に、なだれこむ中国マネー

豪州政府に、なだれこむ中国マネー
国外退去処分となったのは、豪州に本社を置く不動産開発会社『王湖集団』の創業者で中国人実業家の黄向墨氏。

豪州では、ここ10年来、中国系実業家や団体からの多額の政治献金が、新中政策を吹き込む『政界工作』として問題視されていた。
その中でも際立ったのが、黄氏だ。

シドニー・モーニング・ヘラルドの調査によると、黄氏の政治献金の額は、’13年の豪州選挙時に最も膨れ上がっている。
これで目を付けられない方がおかしい。

豪州国営放送によると、’16年にコーマン財相が、黄氏から2万ドルの政治献金を受け取った上、献金は選挙資金に充てた事を認めていた事が発覚した。

’18年までに黄氏が、豪州与党に、自身の会社を通じて献金した総額は、2.7ミリオンドル(2億7000万円)。
これには野党・労働党への献金額は含まれていない。

’17年に豪州ターンブル政権は、膨れ上がる中国系実業家からの献金を牽制する意味も含め、外国からの政治献金禁止、外国政府の為に活躍する人物や団体に対し、豪州政府への登録を義務づけるなどの新案を連邦議会に提出し、’18年に可決された。

が、この法案が可決される’18年までに、野党・労働党からも黄氏から政治献金を受け取った議員が出てきた事から、豪州は黄氏に焦点を絞り調査を進める事になった。

労働党ショーテン党首も怒らせた、労働党議員献金受け取り事件の概要は、何だったのか。

 

野党にまで広がった献金の波

’17年6月、豪州連邦議会で、労働党のショーテン党首は、労働党に所属するジュリー・ビショップ外相が、黄氏と写っている写真を掲げ怒りをあらわにした。
この写真は、ガーディアン豪州版をはじめとし、APなど各大手英字メディアに大きく掲載されている。

渦中の人ビショップ外相は、シドニー工科大の研究員開院式で、黄氏と会った所を写真に撮られており、その時の写真がメディアに流れてしまった。
この会合には、ビショップ外相だけでなく、グスチャリ連邦上院議員も居た事が判明。

グスチャリ労働党上院議員は、’17年12月、中国系ビジネスマンから負債の肩代わりを受け、議会で中国よりの発言をした為に、政界工作にひっかかったとされ、辞職に追い込まれた。
労働党は、この事態を重く受け止め、以後、党員の政治献金の受け取りを固く禁じている。

この様な経緯から、政府は2年かけて国内の情報機関や入管当局と黄氏の調査を進め、黄氏と中国国内の政治の結びつきを確信した結果、国籍所得の申請却下、永住権剥奪に踏み切ったというのだ。
黄氏は処分が出た’19年2月は国外に居た為に、豪州の豪邸には戻れずじまい。
ガーディアン豪州版には、こうコメントしている。

『がっかりしているし、非常に残念だ、私の知る豪州が自由で寛容な国のはずだ、こんな扱いを受けるなんて酷いとしか言いようがない。』

国の情報機関を使い身辺調査をした件についても黄氏は怒りをあらわにしており、この国の為を思い献金してきたのだから、金を返して欲しいと発言している。

この国の為に献金してきたとは論点のすり替えだと思うのだが、どうなのだろうか。

今回の一件もあり、豪州政府は、次世代通信規格『5G』の通信網の普及に、中国の『華為技術(ファーウェイ)』は導入したい方針を発表。

その一方で、国としては苦渋の選択に迫られている。
それはどういう事か。

 

同盟国との約束か、貿易利益か

豪州は貿易の4分の1の利益が中国であり、豪州を訪れる人の第二位が中国人である。
黄氏の事だけで、観光客や貿易利益が激減する事はないと思うが、政治献金にまで食い込んできた彼の影響力は大きいだろう。

モリソン首相は、中国に対抗路線を取る米国との同盟は安全保障上最大の選択だとしつつも、対中関係は経済上死活問題だとしている。

豪州政府は、どちらを選ぶかといえば、どちらを選ぶ事も出来ない状況に陥っているのだ。
中国人実業家たちが『良かれ』と思ってやったことが『余計なお世話』になっている。

それが結論ではないだろうか。

この記事の作者

沖倉 毅
沖倉 毅
ビジネスと国際関連をメインに執筆しています沖倉です。 転職経験と語学力を生かし、語学教師とフリーライターをしています。 趣味は定期的に記録会に出る水泳、3000本以上お蔵入り字幕なしも観た映画、ガラクタも集める時計、万年筆、車、ガーデニング、筋トレです。 どうすれば永遠の男前になれるかをテーマに、取材は匿名を条件に記事執筆に勤しみます。
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