ポリ袋を持ち込んだだけで罰金450万の国がある!世界のポリ袋禁止令がハンパない・・・

  • 2019/01/12
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  • 沖倉 毅
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スーパーのレジ袋は有料になったが、レジ横に置いてあるポリ袋は取り放題という日本。他の国々と比べて、マイクロプラスティック問題に対し深刻に捉えているとは言い難い。

そんな日本では不可能な法律が2年前のケニアで成立した。
スーパーで配布されるポリ袋の輸入や製造、使用を禁じ、違反すると4年の禁固刑もしくは、4万ドル(450万円)の、罰金刑になるのだ。

世界には、他にもポリ袋の使用を禁止している国や、段階的に禁止している国がある。ケニアがここまで厳しい罰則を設けた背景にあるのは、どの様な経緯だったのか。

 

製造業の猛烈な反対を押し切った写真家

製造業の猛烈な反対を押し切った写真家
ケニアが厳しい罰則を設定するのに踏み切った立役者と言われているのが、同国に住む写真家、ジェームス・ワキビアさん(33)だ。

ワキビアさんは、大学でメディア論を専攻していた’11年、マイクロプラスティックの環境汚染問題を学び、故郷であるケニア南西部ナクルのゴミ集積場を訪ね絶句した。

捨てられたポリ袋が大量に風でとばされ、野ざらしにされている。

フラミンゴの生息地であるナクル湖は、世界遺産に指定されている国立公園だ。それがポリ袋のゴミまみれになっている。

ワキビアさんは、学生時代から環境団体や学内の賛同者を募り、集積場の移転を求める署名を5000人集め、嘆願書を政府に提出した。
だが当時の政府担当者は、ワキビアさんの願いを一蹴。

’11年当時、アフリカではルワンダがポリ袋の使用を禁じていて、ポリ袋はドラッグを使う事以上の悪とみなされていた。
だがケニアでは産業界や国民の反対が根強く、法改正に時間がかかった。

ケニア産業相の代理人、サミュエル・マトンバは法改正には苦難と犠牲がつきもので、未だにそれは拭えないという。

ポリ袋を国内で廃止するという事は、衛生上の問題もあるが、廃止にする事により国内176の産業がなくなり、6万の人間が失業する。
ポリ袋を禁止した為に、失業者が暴動を起こすかもしれないというのが産業界の懸念だったのだ。

では、実際に法改正に動き出したのは、どの様な出来事がきっかけだったのか。

 

環境相の後押しで法案成立

ポリ袋廃止ムーヴメントが広まり始めたのは、’15年。
ワキビアさんは大学卒業後、結婚式やイベントなどで呼ばれる写真家として生計を立てていた。

その一方で、街角で『プラスティック禁止』の看板を賛同者に持って貰い写真を撮り、FBやツイッターに載せるといった粘り強いアピールも忘れなかった。

仕事がこなくなった時には、所持品を売って食いつないだ事もあるワキビアさんだったが、ポリ袋を廃止させる法案成立の情熱の炎は失せる事がなかった。

彼の投稿は、法案成立を目指していた時の環境相ワクフング氏の目に留まり、看板を持って撮影に応じてくれる人は1000人以上にのぼり、ナイジェリアやコスタリカにもムーヴメントは広まった。

そうして法案成立から約2年。
ケニアの街ではカルーフルなどのスーパーでは布製バックや容器を持ってくる人をみかける姿が定着した。

英ガーディアン誌は、この法律について『ポリ袋をめぐる最も厳しい罰則』としているが、他のポリ袋を巡る法律はどうなっているのだろうか。

 

既にポリ袋や、使い捨て容器禁止の国も

日本人が思っているよりも、ポリ袋禁止になっている国は多い。
ポリ袋を持ち込もうものなら空港で没収されてしまうルワンダもそうだし、豪州、インドも禁止されている。
バングラデシュ、イタリア、エリトリア、ソマリランド、フランスなども禁止だ。

豪州では段階的に法律制定したものの、いざポリ袋禁止となった途端、店で男性客が暴れだすという事もあった。

現在は代わりの再利用可能な袋を15豪セント(12円)で売っているが、この様な暴動があった為、スーパー側は、法案成立してしばらくの間は、再利用可能な袋を無料で配り続けていたという。

日本でも『お買い物用のポリ袋』が有料になると聞いた途端、エコバックを持って行った人は多いと思う。
だが衛生概念が他国に比べ厳しい日本では、食品梱包の面において、ポリ袋全廃というわけにはいかなさそうだ。

 

この記事の作者

沖倉 毅
沖倉 毅
ビジネスと国際関連をメインに執筆しています沖倉です。 転職経験と語学力を生かし、語学教師とフリーライターをしています。 趣味は定期的に記録会に出る水泳、3000本以上お蔵入り字幕なしも観た映画、ガラクタも集める時計、万年筆、車、ガーデニング、筋トレです。 どうすれば永遠の男前になれるかをテーマに、取材は匿名を条件に記事執筆に勤しみます。
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