国防は有事のために備えるもの
- 2017/09/19
- ビジネス
- 683view
- 国際情勢
- 戦争
- 戦闘機
- 政府
- 政治
- 日本
- 時事
- 歴史
- 海外
ミサイル防衛ができるできない論争の意味
北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国のICBM開発や核開発が急ピッチで進んでいる今日、再び注目されているのが日本のミサイル防衛についてです。北朝鮮からミサイルが飛んできたら撃ち落とすことができるのか?という話ですが、撃ち落とせるという意見もあれば無理だという意見もあります。
国・政府の見解としてはイージス艦と地上配備のPAC-3で迎撃可能であるとなっています。つまり、日本海側にイージス艦を2隻浮かべていれば、日本全域をカバーできるし、第二段階のPAC-3を17ではあるが要所に配置できるというものです。迎撃訓練の命中率も100%だから心配ないといわれます。
その通りであれば安心ですが、ここには大きな前提条件が付きます。つまり、飛んでくるミサイルが少数であることです。
現在、北朝鮮だけでも日本攻撃に適したミサイルが合計1000発程度あるといわれています。その状況で有事となったとき、果たして1発2発と散発的に撃ってくれるでしょうか?
戦争という事態を考えたとき、兵力の集中を行うのは当然であり、爆撃機やミサイルにしても各個撃破されるような使い方はしないでしょう。それこそ、飽和攻撃があると思ったほうが妥当です。そうなったときに、現在のミサイル防衛体制で防ぎきれるのかが疑問です。
有事になれば別の話になる?
この点については、事実上の開戦となれば日米安全保障条約体制下でアメリカ軍による圧倒的な攻撃が加えられるため、そんなに撃ち込んでくることはできないとの説や、そもそも、日本へミサイルを撃ち込むことになるのは米朝戦争になったときだから、撃つ前にアメリカが叩いているとの説があります。この2つは共にアメリカが叩くというものです。
おなじみのアメリカ頼りです。それが悪いとはいえないものの、日本単独の国防は平時の「事故」対応しかできないのか?という話になりかねません。国防とは有事に備えて行うものの筈です。勿論、それが必ず自国単独でやらなければならないものではありませんが、ちょっと頼りすぎの気がするオヤジです。
また、多数飛んでくるような事態になれば、日米のイージス艦を多数動員して迎撃態勢を整えることになるともいわれています。ここでも日米でありアメリカが欠かせません。
もっとも、目下のところイージス艦を8隻体制に増強することや、地上配備型イージスであるイージス・アショアの導入も進められているので、万全ではないものの何も考えていないわけではありません。
とはいえ、一度に数十発規模のミサイル攻撃を連続して受ける可能性がある以上、もっと本格的な防衛体制を整える必要があるでしょう。気になるのは、日本へ向けられているミサイルは、ICBMでもなければSLBMでもなく、以前からあるものです。最近よく聞く、日本における北の脅威は前から変わっていないという話です。そうであれば、なぜ今まで騒がなかったのかという話も出ています。
しかし、遅かったとはいえ、何もしないわけにはいきません。一発10億円はする迎撃ミサイルの調達も含めて、もっと議論と準備を進めて、不幸にもそのときが来てしまった場合に被害を最小限にすることが重要です。