実力行使すればよいのか?熊本の子連れ議員の問題
- 2017/11/23
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議場は何をする場所か?
ビックリ仰天のニュースが飛び込んできた2017年11月22日。暴言・強要議員の問題で話題になったばかりの熊本市議会で、今度は赤ちゃん連れ議員の登場です。生後7ヶ月の子供を無断で連れ込んだのは、育児問題などに熱心な女性議員だったのでしょうか。そうだとしても、やり方がおかしいことは確かです。
さて、議員ではない人間であり、同時に生後7ヶ月という自立していない人間を議場に連れてくる神経がわからん!というオヤジはどの程度いるでしょうか。自立していればよいとう話でもありませんが…。生後7ヶ月だと、ぐずったり、泣いたり、お漏らししたりと何かと大変でしょう。
ここがアットホームなおばちゃんたちが運営する民間の職場なら、ひょっとして「ほほえましい」光景になったかもしれません。しかし、市議会ですよ、市議会。何する場所ですか?議会運営の妨げになるでしょ!市議なのにそこを考えずにやっているのでしょうか?
働く女性をなんと心得る!とでも思っているのであれば、それは大きな勘違いですというしかありません。そして、その後の会見?では、社会問題が個人の問題にされる云々と涙していたようです。しかし、本会議に子供を連れてきちゃいけないのは、子育ての問題ではありません。議会も職場一般のうちだと勘違いしたのでしょうか。
少なくとも議員たる者、けじめを付けるべきところはちゃんとしないと駄目でしょう。どうしても、連れて入らなければならないなら、事前に申請して、それなりの準備を双方がしなければなりません。それでも、許可されるかどうかは不明ですが。
しかし、40分も本会議を遅らせただけで、結局は子供をどこかへ預けたのか、一人で議場に戻っています。昔の教員に、40分×出席議員分の時間を無駄にしたと怒られるんじゃないでしょうか。
感情論で判断するとおかしな話になる
でも、子育てで大変なんでしょ?
少しくらいいいじゃないの?
という意見があるのも事実です。もしかしたら、そうなのかもしれません。
しかし、感情論を先行させると何でもアリの無法地帯になってしまいます。報道によれば、今回、この議員には「子育て中の女性でも議員をやれる環境を」という目標があったようですが、連れ込んだ者勝ちではないはずです。それとも、当然連れ出すようにいわれるだろうし、そうなれば働く女性への理不尽な現場を訴えられると考えていたのかなど、想像はいくらでもできます。
もっとも、この件で理由を想像しても意味がありません。どのような理由であっても、駄目なものは駄目ですし、不毛な議論の落とし穴に陥る危険性もあります。ただ、議会へ向かう道でベビーカーを押している場面からテレビカメラがついていることに違和感を覚えますが…。
なんにせよ、子供を育てながらも政治に取り組む立派な女性であるだけに、今回のような行いはもったいないし残念だといわざるを得ません。そして、市議会は働く女性にやさしくない社会だという、矮小な話を作る場所ではないし、こうしたカタチで世間の風潮を示して見せる場所でもないということは確認しておく必要があります。
たしかに、一石を投じることはできたでしょうが、投じるところがちがうでしょという話になりました。女性の働く環境についての議論は、本筋でやってもらいたいものです。大きくなった子供が、この件を知ったときにどう思うかも考えてもらいたいところです。