オヤジこそ食べたい白身魚の魅力
- 2017/06/04
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赤身や青魚が体につらいお年頃
若い頃なら肉にしても魚にしても、脂が乗って味がはっきりしたものほど美味いと感じられました。けれどもオヤジ世代になると次第に脂が消化の負担になり、味の濃さがしつこく感じられるようになります。マグロならトロよりも赤身に手が伸びていませんか?
それは「白身魚」を美味しく食べられるタイミングです。白身魚にはどうしても淡泊で物足りないという先入観があり、若い頃は敬遠しがちでした。そんな白身魚も調理方法によってさっぱりとしながら、しっかり旨味を感じられるようになります。覚えておくと新たな食の楽しみを見つけられるでしょう。
サケはどっち?白身魚の定義
魚の白身と赤身は、加熱前の身の色で分類されます。赤身はマグロやカツオなど広い海を泳ぎまわる魚が中心です。長距離を移動するためには持久力と多くの酸素を必要とします。その結果、身に血液のヘモグロビンやミオグロビンなどが取り込まれ赤くなるのです。「血合肉」と呼ばれる暗赤褐色の部位が多いという特徴もあります。
対して白身の魚は鯛やフグ、ヒラメなど沿岸や浅い海でじっとしている魚が目立ちます。筋肉はありますが敵に襲われた時だけしか動かさないので、そんなに酸素も血液も必要としません。だから身は白くなります。
青魚は背が青い魚を指し、白身や赤身の定義とは別です。そのため同じ青魚でもサバやアジは赤身、サワラやシイラは白身に分類されます。ちなみにサケやマスは身の色が赤くても白身魚の仲間です。赤い色は餌のカニやエビに含まれるアスタキサンチンによるもので、他の赤身魚の色とは仕組みが違います。
白身魚はその生態から脂肪分が少なく高たんぱくです。コラーゲンも豊富に含まれています。消化が良くて加熱すると簡単に身がほぐれます。赤身の魚に多い「ヒスチジン」というアレルギー成分が少ないので、乳児や高齢者のおかずにも最適です。
白身魚を美味しく食べる調理法とコツ
白身魚は赤身魚に比べると味わいが淡泊です。調味料などで味わいをプラスすると美味しく食べられます。例えば獲れたばかりの白身魚を刺身にしても、身の旨味はほとんど感じられません。それは白身魚の旨味成分が死後硬直後の分解が始まる頃に最も増えるからです。だから刺身やお造りは白身魚の味よりも、プリプリした食感と一緒に添えられる薬味やタレの味わいを楽しみます。
その点、昆布締めは旨味成分を増やす熟成を促し、昆布に含まれるグルタミンの旨味を足してくれます。食感もほどよく柔らかくなります。ぜひシンプルにそのままか、上質の塩をつけて食べたいところです。さらに保存性が高まるというメリットもあります。
加熱するならホイル焼きが簡単です。好きな白身魚に塩コショウや酒で下味をつけ、野菜と一緒にアルミホイルで包み、オーブンで焼くだけです。柔らかくてふっくらした食感を楽しめるでしょう。キノコと一緒にすると旨味成分が移り、香草を入れると臭みのある白身魚も気にせずに食べられます。
自分で調理する時は、あらかじめ塩を振って余分な水気を抜いておくのが大事です。旨味を増やす効果もあります。焼いたり煮たりする時は、あらかじめ小麦粉をまぶしておくと旨味を閉じ込められるでしょう。