登山の魅力は人それぞれ

数年前から世間は「登山ブーム」です。登山をテーマにした漫画や映画などがヒットしたのも、景気の悪化から「お金がかからない趣味」を探し求める人が増えたことも背景としてあるかもしれません。数年前から「山ガール」というキャッチーなフレーズで女性の登山者を呼び込む流れも定着し、より多くの人が登山に興味を持つようになりました。登山を初体験した人の多くは「都会の喧騒から離れて日々の仕事に追われるストレスを忘れられる」「ストイックな気持ちになれる」「大自然に触れることで日ごろの悩みが小さなものに思える」など、登山の魅力は人それぞれにあります。

初心者に向いている山の条件

どんな山でもそれぞれに特徴があり、難易度や景色も様々ですが、まずは「初めて登山にチャレンジする人」に向いている山の条件を説明します。初心者向けなので「あくまで一日で終わる」ことが大前提ですが、ポイントは「標高(山頂までの高さ)」、「登山時間」「景色」の3つです。まず、標高については一般的に「1,000m以下」が初心者向けかどうかの目安と言われていますが、1,000mを超える標高の山でも、「初心者向け」に該当する山は沢山あります。登山ルート、登山時間、登り易さなどからトータルで判断します。

高尾山(標高599m/東京都八王子市)

関東エリアで最も人気の登山スポットともいえるのが高尾山です。人気の理由は、アクセスのしやすさでしょう。高尾までは、新宿駅から約50分(京王線)と、関東エリアに住む人にとっては交通の便もよく、軽装で出かけられる点も初心者にお勧めできる点です。

また、標高も599mと非常に低く、山頂まで約1時間でたどり着けるため、登りと下りを違うルートで歩いても半日もかかりません。「高尾山口駅」からスタートし、商店街を潜り抜けるとケーブルカー、またはリフト乗り場があるので、登山口まではこれで行きます。そして序盤の参道ルートを抜け、途中、様々な景色を楽しめるので、初心者でも飽きがくることなく山頂まで歩けます。

また、高尾山の見どころは、途中にある「薬王院」という天狗信仰で有名な寺院です、登山途中、至る所に天狗像を目にするかと思いますが、高尾山観光の目玉とも言えるでしょう。初めて登山をする人、カップルでハイキングを楽しむ人にもおすすめの山です。

六甲山(標高931.25m/兵庫県神戸市)

関西エリアに住む人は、「阪神タイガース」の応援歌「六甲おろし」や、「六甲のおいしい水」で有名な六甲山がおすすめです。六甲山は、神戸周辺エリアでは初心者向けの「初登山スポット」として知られており、標高931mと、意外に高く感じるものの、カップルやファミリーなどで賑わっているほど、初心者に優しい山です。登山ルート次第で登山時間は大きく変化するため、本格的な装備で臨むベテラン登山者もチラホラと目にします。ちょっとした岩場のアスレチック気分を楽しめる「ロックガーデン」や休憩ポイントとして途中にある「鉄塔」などが一つの通過点ですが、慣れていない人は、体力に合わせて山頂を目指すかどうかを判断してもよいでしょう。