カープを去る人、残る人。FA時の名言に男の生き様を見る

  • 2018/12/14
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カープファンを落胆させた、丸選手のFA

11月30日、ある発表が広島県中を落胆のどん底に叩き込みました。

その発表とはいうまでもなく、丸佳活選手の読売ジャイアンツへの移籍。球団史上初の3連覇の原動力、今年は本塁打39本を放ち2年連続のセリーグMVPに輝いた生え抜きの主砲の流出に、多くの広島県民は「やっぱりか」と思いつつも、悲しみを隠し切れないもの。広島県出身の妻を持つ、私、アントニオ犬助の家では、この話題が御法度となっています。

報道によると、丸選手を獲得したジャイアンツは5年契約で総額35億円、彼の出身地に本拠地を置き、獲得に名乗りを上げていた千葉ロッテマリーンズが6年30億円。これに対して、広島東洋カープが4年17億円だったといいますから、条件だけ見ると勝敗は明らか。
「これは流出やむなし」と思いつつも、カープファンの皆さんは心のどこかで残留を祈っていたはずなのです。

 

お金で左右されるのも、男の生き様の一つ

そして、移籍の発表後SNS上にあふれたのはファンたちによる「やっぱり、お金なんだよね」という嘆きの声。一方で犬助が思い出したのが、福留孝介選手が中日時代、2007年の契約更改で言い放った「誠意は言葉ではなく金額」という言葉。

活躍をねぎらう言葉をかける一方で、年俸を抑えようというフロントの姿勢を批判するセリフです。

これで巻き起こったのは「福留は守銭奴」というバッシング。阪神タイガースのファンである犬助も、福留選手に対してあまりよくない印象を抱いたのは事実です。
しかし、年俸にこだわって何が悪いのか? ケガをしてしまえば終わりというのが野球選手、少しでもよい条件を求めて必死になるのは誰でも同じこと。カープ在籍11年、ようやくつかんだFAの権利を行使し、ジャイアンツに移籍する丸選手を「お金が全てか?」と責めるのは間違っている気がするのです。

ちなみに福留選手は東日本大震災に対して100万ドルという巨額の寄付をおこなったことでも知られていますから、単なる守銭奴ではないことを付け加えておきます。

 

FA残留した男たちの放った言葉のカッコよさ

一方で今年FA権を獲得したにもかかわらず、行使せずに残留を決めたのは同じカープの松山竜平選手。これを決めた10月9日、広島のローカルテレビ局はテロップを流して報じたといいますから、カープファンの喜びは想像できるというもの。お金で動くのはしょうがないとはいえ、やはり残留してくれる選手はありがたいものです。

そんなFA残留で思い出されるのは、カープの打撃コーチとして活躍している東出輝裕氏の現役時代の言葉「勝ちがわかっている勝負ほどつまらない物はないでしょ?」というもの。FAで強いチームに移籍して優勝したいとは思うのだが、やはり強くはないカープで優勝したいのだという気持ちの後に述べた言葉。

「いっしょに頑張ってきたチームメイト、スタッフ、ケガをしても応援しつづけてくれたファンと優勝したい」(緒方孝市氏)、「カープにここまで育ててもらった。カープファンの前で、カープの選手に目一杯ボールを投げる姿が想像できなかった」(黒田博樹氏)と並び、FAを行使しなかったカープの選手の3大名言として数えられているもの。

どれもこれもカッコいい。
お金に左右されるのも男ならば、左右されないのも男の生き様。男ならかくありたいと、当時の犬助は思ったもの……もちろん他球団の条件が良くなかったのでは? といううがった見方もできるのですが。

 

カープファンの気持ちが、わかった気もする……

このままカープに在籍していれば広島のヒーロー、ゆくゆくはコーチ、監督になるのも間違いない丸選手。いくらお金が良いとはいってもチームを出るというのは、非常に大きな決断だったと思うのです。犬助は阪神タイガースのファンですから、ニヤニヤしてことの推移を見守っていましたが、丸選手が3番に座るジャイアンツ打線は脅威。来シーズンが楽しみというよりも、恐ろしさが今から先立ち始めました。

その一方でFA移籍するにしても残留するにしても、カープの男たちのかっこいいこと。弱いときも熱心に応援し続ける、ファンの気持が少し理解できたのです。

奇しくも来シーズンの開幕カードは、広島ズムスタでのカープとジャイアンツの3連戦。果たして敵チームのユニフォーム、背番号8に身を包んだ丸佳活選手はどのような歓迎を受けるのでしょうか。

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アントニオ犬助
アントニオ犬助
みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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