スポーツ観戦は場外乱闘も含めて見逃すな
- 2018/12/02
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中国のマラソン選手が国旗を投げた?
スポーツ観戦は白熱したゲーム展開や激突する迫力など、楽しむポイントや面白いと思える要素がいくつもあります。また、ギャンブルスポーツであれば、当たり外れの興奮と、お金が減ったり増えたり減ったり減ったりする危機感も隠し味のひとつです。
そんなスポーツ観戦ですが、ときに場外乱闘を目撃することがあります。プロレスであれば日常的に行われる場外乱闘ですが、他のスポーツでは滅多にお目にかかれません。野球の小競り合いはありますが。
さて、報道によりますと中国のマラソン選手が受け取った国旗を投げ捨てたとして非難を浴びる一方、あれは仕方ないと擁護する声も少なくないという出来事がありました。
問題となった女子のマラソン大会は、中国の蘇州で10月18日に行われ、優勝はエチオピアの選手でした。この選手と終盤にデッドヒートを繰り広げたのが、今回注目を集めることとなった中国の何選手。結果的には最後に離されての2着ゴールとなりました。
国旗を受け取るシーンを報道で見る限り、どうみても問題が大有りです。
まず、大会ボランティアという中国人が、先頭争いをする何選手に中国の国旗である五星紅旗を手渡そうとします。しかし、これを何選手は受け取りませんでした。
そのすぐあとで、別の中国人ボランティアが何選手の前に出て、身体の前に国旗を差し出します。この状況では受け取ってしまうのも仕方ないでしょう。
ところが、このシーンをよく見ると、このボランティアは外側を走るエチオピア選手の目の前を通って内側の何選手に寄って行ったのです。ボランティアの仕事って、何?完全にエチオピアの選手の走行を妨害しています。事実、この選手はボランティアをよけるために大きく外へ膨らみました。
これで何選手が勝っていたら、非常に後味の悪いワンツーとなります。2着でも大問題ですが。
妨害より国旗を投げたことに批判が
一般的な考えでは、この妨害行為に対する批判が渦巻くところでしょう。ところが、受け取った国旗を投げ捨てたかのような何選手の行動に批判が起きました。何選手は、受け取った国旗をほどなく左側に放り投げたように見えます。
これを、国旗に対する不敬ということで非難している人がいるわけです。たしかに、国旗の扱いは丁重であるべきです。その意味では、中国人の真っ当な感性をうらやましく思うところかもしれません。しかし、それはすべての状況において守るべきものなのでしょうか?
何選手自身は、メディアの取材に対し腕を振ったときに落としてしまったと話しています。雨を含んだ国旗は重かったと。それは仕方ないことですが、仮に思わず投げたとしても、あの状況ではやむを得ないでしょう。
国際大会では、ゴール目前の上位選手が国旗を受け取って走るシーンは珍しくありません。しかし、首位を競ってデッドヒートの最中に国旗のような「抵抗となるもの」を持って走るのはおかしなことです。結果的に、着順に影響しなかったとしても、一連の動作が何選手の重荷になったことは事実です。しかも、相手選手を(無意識であっても)妨害して渡すなんてことは、カッコいいオヤジの理解を超えています。
もちろん、中国でも多くの人たちから、妨害行為を批判する声や何選手を擁護する声が出ています。また、中国メディアにもマラソンのルールを無視した一連の問題行動に苦言を呈するものがあります。
中国人に限らず、つい自分に都合よく物事を解釈してしまうことはあるものですが、スポーツではこういったシーンはなかなかお目にかかれません。
スポーツ観戦をするときは、こういった場外乱闘も含めて見逃さないようにしたいものです。そこには、多くの教材が待っています。