憧れのトゥールビヨン 数10万の時計と、超高級時計のこの差はどこからくるのか
- 2017/11/03
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トゥールビヨンとは、何のための存在なの?
時計好き垂涎の存在、トゥールビヨンという超絶技巧を要する仕組みについては、散々今までに書いてきた通りなのです。
あの伝説の天才「ルイ・ブレゲ」が考案した中でも最も複雑な機構だとか、まあ一本1,000万円は下らないとか、世界で手がけられる時計師が10数名しかいないとか。
トゥールビヨン搭載モデルが故障した場合、例えばパテック・フィリップならば問答無用でスイスの本社送り、修理期間は数年を要する、修理代金はまあ想像するのも恐ろしいとか……そんな存在なのです。
にも関わらずメーカーが躍起になって、トゥールビヨン搭載モデルを発表し続ける理由は? というと、自社の技術力をアピールしたいから他なりません。
例えば、セイコーが「HUGAKU」を2016年、シチズンが「トゥールビヨン Y01」を2017年にリリース。海外メーカーならば、有名どころはほぼ全てトゥールビヨンモデルを発表済み。
まあロレックスを除く、なのですが。
破格のトゥールビヨン、タグホイヤーから登場
トゥールビヨンというのは、重力によって生じる精度の誤差を解消するために考案された仕組み。
もっともこの時代、腕時計に精度を求めるだけならば、クオーツそれも電波時計とか、機械式ならスプリングドライブとか、色々選択肢があるのですから、わざわざトゥールビヨンが搭載されているモデルを選ぶ必要はないのです。
それでも時計好きは、トゥールビヨンを搭載した一本を夢見るもの。なぜなら、その動きはうっとりするほど神秘的だからなのです。
しかし、それもタグホイヤー「カレラ・ホイヤーT02」の167万5,000円(!!)というモデルの発表で、単なる夢ではなくなりそう……という話は、別稿の通りなのです。
トゥールビヨンに似た、別のもの「中華トゥールビヨン」
さて、そんなトゥールビヨンを搭載しているモデル、安価といっても167万円超、普通は1,000万円を超えてくるという雲上の存在なのか? というと、実は全てがそうではありません。
ただ、テンプが回転している「だけ」という存在ならば、ここ10年ほど前からあったもの。それも10~50万円という、非常に安価に手に入れることができますから、バーゲンプライスの「カレラ・ホイヤーT02」の比ではないぐらい安いのです。
有名所では「中華トゥールビヨン」と呼ばれる一派。例えばシーガル社製のものなら、非常に安価。おもちゃとして購入するなら必要十分と、好事家の間では評判になっています。
結局は、ブランディング次第なのか?
さて、そんな中華トゥールビヨン、出来の方はどうか? と思いましたら、やはりおもちゃらしく、その修理を手掛けたという人曰く「動けばいいんでしょ?」とのこと。
「え? トゥールビヨンを手がけられる職人さんって世界に10数人しかいないって話じゃ?」と驚きながら聞き返すと「動けばいいという代物なら、俺でもできるよ」とのことでした。
まあ、その「俺」にしても機械式の腕時計の修理なら、今までに数え切れないほどこなして来たという職人中の職人、それだけにトゥールビヨンの修理を手がけられるとは思うのですが……こんなことを考えながら、数1,000万円という時計が並ぶリシャール・ミルのホームページを見ると、トゥールビヨンにしても何にしてもブランディングとは手法次第とか、色々なことが頭をよぎるのです。