周回誤認で馬券がパア!なぜミスは起きるのか?
- 2018/10/21
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もうゴールだよね?違うの??
スポーツで周回誤認はそれほど珍しくないことかもしれません。陸上のトラック競技の場合、一周400メートルですから、5000メートルや1万メートルともなると、いま何週目だったかわからなくなっても不思議ではないものです。そのため、最終周回で鐘を鳴らすなどの対策が講じられています。
ギャンブルスポーツにおいても、競輪では最終周回前の周回のバック線から3コーナーのあたりでジャンが入るのはご存知のとおり。
そんな中、なんと中央競馬で周回誤認というハプニングが起きたのです。周回数の多いオートレースならいざしらず、3周で争われるボートレースよりもさらに少ない競馬なのに。
それも、地方競馬より広大なコースでターンの少ない中央競馬で起きたのだから驚きとしかいいようがありません。
問題のレースは、10月13日の土曜日、秋の開催が開幕したばかりの新潟競馬場の6Rでした。このレースはダート2500メートル戦。直線1000メートルの競馬や東京より直線の長い芝外回りで有名な新潟競馬場ですが、ダートコースは1472.5メートルとそれほど広くありません。
2500メートルのスタート地点は、ゴールから1000メートルほど戻った向こう正面。つまり、ダート1000メートル戦の近所ということになります。
ダート1000メートル戦なら3~4コーナーのワンターンでゴール。しかし、2500メートルはもう一周あるため全部で3ターンします。
ここで勘違いしてしまったのが、単勝オッズ5.4番で2番人気の支持を受けた9番ペイシャエリートに騎乗した山田敬士騎手でした。スタートして、最初の4コーナーから仕掛け先頭でゴール板を過ぎると引き上げる体勢に入ったわけです。
しかし、実際のレースはまだ一回りあるわけで、他馬の動きからそれに気付いたときはすでに遅く、馬はブービーから5馬身遅れの最下位に。
なぜ気付かなかったのか?
山田騎手にしてみれば、人気に応えて会心の勝利だったはず。一転して騎乗停止の憂き目を見たわけですが、そもそも1000メートル戦という究極の短距離と、2500メートル戦という少数派の長距離戦ではペースがまったく異なります。
ホンモノの1000メートル戦だったなら、ゲートから各馬が押しまくって先を争うものです。さらに、仕掛けどころで誰も動かないなんてあるわけがない。ひょっとして、2500メートル戦の2周目だと思っていたのかも。それにしても、他馬が仕掛けないのはおかしいと感じるべきところでしょう。
実は、このレース、山田騎手の9番ペイシャエリートは、スタートして押して出ると、そのまま先頭を走っていたのです。逃げて結果を出していた馬なので、この作戦は順当なものといえます。
ハナを切っていたことが裏目となって、後続の馬の動きに気付かなかったということでしょうか。それにしても、後ろを振り返るとか、ターフビジョンを見るとかするものでしょうけど…。
ゴール後?の山田騎手は、他のレースと同様に流しながら馬をスローダウンさせていました。しかし、2コーナーを過ぎたあたりで、後続馬がレースの走りをしていることに気付いたようです。内の馬を見ながら「?」という感じでその後ろを確認し、ついにレースが終っていないことを察知します。
そこで、3番手グループに合流してレースを再開しましたが、すでに前の直線でムチを入れられてゴールし、一旦緩めてしまった馬には余力がありませんでした。
オヤジ的には笑うしかない場面でしたが、山田騎手の心中は察するに余りあるといったところでしょう。気にするな!とはいえませんが。
山田騎手は今年デビューの新人で、通算勝利度数は7、▲印の付く3kg減量騎手です。キャリアの浅さがミスにつながったことは間違いないでしょう。ただ、キャリアが浅くても考えられないミスであることも事実。
これを教訓として4000勝を目指してもらいたいものですが、主催者には再発防止策を考える必要があるといえるかどうかも問題です。なにしろ、こればかりは…。4コーナー手前あたりに周回表示板でも設ける?
オヤジとしては、こんなことで馬券がパアになるのは勘弁してくれというだけですね。