相撲の取り組み、最大体重差は実に200kgを超えていた!
- 2018/09/30
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292.6kgの現役最重量力士、遂に引退
横綱・白鵬、14連勝、41回目の優勝を果たす。そして、前人未到の幕内1,000勝達成。
相変らず話題性充分、大相撲・秋場所だったのですが、そんな華やかな舞台の裏側で、また一人、名物力士が土俵を去りました。
大露羅敏(おおろらさとし)、現役で最も体重があることで知られていた大露羅関はモンゴルと隣接した、ロシア連邦のブリヤート共和国生まれ。16歳のころには体重が200kgを超えるという恵まれたすぎた体格にほれ込んだ、故・北の湖親方のスカウトを受けて2000年に初土俵を踏みました。
その後も彼はすくすくと成長。2017年には283.8kg、引退間際の今年8月には292.6kgを記録。現役力士の最高体重保持者として長らく君臨してきたのです。
そんな大露羅関の最高位は、東幕下43枚目、通算成績は376勝382敗12休。18年間の土俵での成績自体はあまりパッとしないのは、あり余る体重のお陰でスピーディーな動きができなかったから。後ろに回りこまれて押し出されたりといった相撲が多かったからです。
191kg差の取組に勝利したのは意外にも
しかし、幕下での活躍が多かったということは、体重差が大きな取組みが多かったということ。まだ体も出来上がっていない、小兵力士たちと大露羅関との顔合わせは話題性充分。
幕下の取組を大いに沸かせたものでした。
例えば、2011年に実現した、大露羅関と大原禎貴(後の瞬迅禎貴)関の取組み。
この時の大露羅関の体重は273kg、大原関は82kgですから双方の体重差は191kgというとんでもないものとなりました。
え、ピンときませんか?
ならば大露羅関の体重を仮に70kgとしましょう、すると大原関の体重は21kg、小学1年生の平均体重になってしまうのです。こんな、大人と子どもの対戦に勝利したのは意外なことに大原関。土俵際まで追い詰めた大露羅関は、自身の体重を相手にかけるのを恐れたのでしょうか? バランスを崩して土俵を割ってしまったのです。決まり手は「勇み足」でした。
最高の体重差は、実に200kg超
また、2017年に実現した大露羅関と表匠関の取組み。
高校まで柔道をやっていたという表関は、身長168cm、体重68kg。写真を見る限り、筋骨隆々のグッドシェイプなのですが、相撲取りとしては少し物足りないものです。
一方、この時の大露羅関の体重は271kgですから、体重差は実に200kg以上という前代未聞のものとなりました。これが恐らく、相撲の取組みにおける歳代体重差でしょう。
この一番では無事(?)大露羅関が勝利を収めています。
実は白鵬関に対して無敗という記録
そんな大露羅関と並ぶ体重の持ち主といえば、外国出身力士として初の大関となったことで知られる、小錦八十吉関。現役時の最高体重は285kgですから、大露羅関のピークと比較すると若干軽いものの、小錦関も超重量級力士だったととには変わりはありません。
しかし小錦関を対戦相手との体重差という点で見ていくと、あまり目立った取組みがないのは、入門時から幕下のころの体重は175kgと「まだ」普通の力士並みだったこと(とはいえ、新弟子検査に使う体重計を振り切るレベルの重さでした)と、初土俵から12場所で新入幕を果たしてしまい、体が出来上がる前の小兵力士との取組みが少ないからです。
例えば、当時話題になった舞の海関との一番。
このときの舞の海関の体重は101kgですから、残念ながら大露羅関が残した、大きな体重差の取組みと比較すると見劣りしてしまうのです。
さてそんな大露羅関について、成績は寂しいものがあると先ほど書いてしまったのですが、実は輝かしい白星を挙げていることをすっかり忘れていました。2001年に、あの大横綱・白鵬関に浴びせた押しで勝利しているのです。共に序二段のころの話なのですが、両者の対戦はこれ以降なし……ということは、大露羅関は白鵬関に対して無敗なのですね。
故郷に帰った大露羅関は、これからスポーツイベントの仕事に就くとか。多くの人たちから愛された人柄で第二の人生も奮闘してもらいたいものです。