探査機「はやぶさ2」、小惑星への着陸が迫る!知っておくべき凄さとは
- 2019/02/02
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これから、凄すぎることに挑む「はやぶさ2」
現在「はやぶさ2」は、小惑星リュウグウへの着陸に向けて準備に入っています。
JAXAのスケジュールによると、2月18日の週に着陸予定となっていますから、関係者を始めとした多くの人は固唾をのんで見守っているはずなのです。しかし、私、アントニオ犬助は宇宙への興味が薄いこともあり、事の重大さを今ひとつ理解しておりません。で、調べたところ……やっと、その凄さの一部を理解しました。
そこで今回、はやぶさ2に与えられたミッションのどの辺が凄いのか?そして、今後のハイライトはどこなのか?について、見ていくことにしましょう。
片道2億8,000万km、2年半という距離だけでも
先代の「はやぶさ」の後を受けて、はやぶさ2が打ち上げられたのは、2014年12月。地球と同じような軌道で1年をかけて太陽の周りを1周した後、地球の引力を利用して加速。小惑星リュウグウへ片道2億8,000万km、2年半に及ぶ旅路につきました。
しかし、与えられているスピードだけでは足りないということで、使用されるのがイオンエンジン。人が吐き出す息に例えられるほど非力なエンジンなのですが、連続して使用することで加速。昨年の6月27日に目的地リュウグウ上空に到着、着陸への準備に入っているのです。
リュウグウの軌道がややこしいので飛行ルートの計算が複雑だったとか、改良型のイオンエンジンを搭載したとか、失敗続きで満身創痍だったはやぶさとは異なり順調にミッションが進行しているとか、ここまででも十分すぎるほど凄いのです。
しかし、ここまではやぶさ2が成し遂げてきたことの多くは、はやぶさで実践済みのことばかりでもあるのです。
穴を掘るといっても、そうカンタンにはいきません
一方で、2月18日のリュウグウの着陸から始まる、はやぶさ2のミッションは世界初。
ここからが、本当のハイライトといえるでしょう。
JAXAのスケジュールによると、3月からおこなうのはクレーターの生成。
通常の着陸を行った後に、まずはリュウグウ表面のサンプルを採取。その後に地中のサンプルも採取するために地面を掘る。といっても重力などある訳がないので、ドリルなどの掘削器具は一切使えない。
そのために炸薬入りの銅製の弾をリュウグウの地面に打ち込みます。しかし、そのままでは爆発で飛び散る破片で、はやぶさ2がダメージを受けてしまう。そこで、弾丸を発射、はやぶさ2がリュウグウの裏側に回り込む、弾丸が炸裂、できたクレーターに再着陸という工程を踏まなければならないのです。
しかも、この複雑な工程は遠隔操作でおこなわれるわけではありません。
2億8,000万kmという遠距離でおこなわれていること、地球から司令を送っても片道20分はかかるので、リアルタイムの操作ではとても間に合いませんから、はやぶさ2が自律的におこなわなければならないのです。
これらのほぼ全てが世界初の試み。これこそが、はやぶさ2のミッションの最大の山場なのです。
はやぶさ2が帰ってきてからも、ハイライトは続く
そして、更なるハイライトが待っているのが、はやぶさ2の地球帰還後。
採取して来たのは、はやぶさがおこなった小惑星表面にある微粒子ではなく、リュウグウの内部にある物質やもっと大きな欠片。その中には水分や有機物が含まれているはずですから、地球の水はどこからきたのか?とか、有機物はどうやってできたのか?とか、生命はどのようにして誕生したのか?という謎に迫ることができるかもしれない。
といいますか今回はやぶさ2が、なぜ、こんなに難しいミッションをおこなっているかというと、全ては生命、地球、太陽系に関わる謎を解明するため。サンプルリターンで得たものの解析こそが本番といえるのです。
はやぶさ2は、今年の秋ごろまでリュウグウに滞在、今年の年末には帰路に付く予定。1年の長旅を経て2020年の年末には地球へ帰還します。