日本の刑法で犯罪で一番重いのは外患誘致罪って知ってましたか?
- 2018/10/16
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刑法で一番重いのは外患誘致罪!?
日本の刑法において、最も重いのは殺人だと思っているオヤジは多いのではないでしょうか。実は、この認識は間違っており、刑法で一番重いのは外患誘致罪となっています。
普段聞きなれない外患誘致罪だけに、デキるオヤジは「外患誘致罪って何?」と思うことでしょう。そこで今回は、外患誘致罪について紹介していきます。
外患誘致罪とは?
まず、外患誘致罪とはどんな罪なのか紹介しましょう。外患誘致罪は、「外国と通謀して日本に対して武力を行使させた者」に対して適用されます。ここで言う外国とは、外国政府や国家機関のことを指しています。つまり、テロ組織や多国籍集団などは含まれていません。
簡単に言ってしまえば、外国政府・国家機関と内通して軍事力を行使させることで、外患誘致罪となるのです。ちなみに、外患誘致罪は戦争もしくは紛争にならなければ成立しないため、平時でのスパイ的な行為などでは成立しません。
本当に刑法で一番重いの?
外患誘致罪が日本の刑法で一番重いのかは、刑罰から判断することができます。通常、刑事罰は「〇〇年以下の懲役もしくは禁錮又は〇〇万円以下の罰金」となります。
しかし、外患誘致罪はそのようなものはなく、『死刑』のみとなっているのです。実は、外患誘致罪は絶対的法定刑であり、有罪=死刑となってしまうのです。
ちなみに、殺人罪の刑罰は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」となっています。殺人罪と比べても、いかに外患誘致罪が重い罪なのかがわかります。このことから、外患誘致罪は日本の刑法で一番重い罪だとされているのです。
外患誘致罪ってどんな行為?
外患誘致罪は、外国の国家と共謀して日本に軍を攻め入れさせたり、ミサイルなどで攻撃させたりすることで成立します。武力の行使があれば外患誘致罪は成立するため、武力による被害がなかったとしても罪になるのです。
外患誘致罪に関連する刑罰としては、外患援助罪や外患予備罪などが挙げられます。外患援助罪は、外国から日本への武力行使に加担する行為となっており、2年以上の懲役もしくは死刑、無期などの刑罰があります。外患予備罪とは、日本への武力行使の計画や準備をしている段階のことです。準備・計画をしただけでも、1年以上10年以下の懲役となっています。
外患誘致罪に関連する罪は、基本的に重くなっています。これは当たり前のことです。なぜなら、日本という国家を転覆させかねない罪であり、刑罰が重いのは当たり前と言えるのです。
これまで外患誘致罪の適用は?
現在までに、外患誘致罪の適用は一度もされていません。文言などは修正されているが、外患誘致罪は明治41年からあります。しかし、現在に至るまで一度も適用されたことはありません。
ただし、昭和16~17年にかけて起きたソ連の諜報活動で逮捕された事件「ゾルゲ事件」において、外患誘致罪の適用が検討されたとされています。しかし、最終的に外患誘致罪は適用されず、国防保安法や軍機保護法、治安維持法違反などによって起訴されています。
結局、これまでに外患誘致罪が適用されたことはないのです。ちなみに、もし外患誘致罪が追訴された場合、現代では裁判員制度の対象事件となります。
刑法を犯さないように!
今回は、日本の刑法で一番重い外患誘致罪について紹介してきました。普通に生き手入れば、外患誘致罪になることは絶対にないでしょう。豆知識として、日本の刑法で一番重いのは外患誘致罪だと覚えておいてください。
いずれにしても、刑法を犯してはいけません。当たり前ですが、刑法を犯さずに生きていくのがデキるオヤジです。どんな状況でも、刑法を犯さないようにしましょう。