F35Bが日本に導入される?!このニュースの何がミリヲタを喜ばせたのか
- 2018/01/18
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ミリヲタ歓喜、F35Bが導入されるかも!!
「日本がF35B導入を検討」……こんな記事が東京新聞の一面に掲載されたのは年末の12月25日のこと。記事によると防衛省は導入を進めているF35A戦闘機の一部をB型に変更、もしくは別途購入するという案を検討しているというのです。
これを見て「少し遅いクリスマスプレゼントだぜ!!」と、ほくそ笑んだのは犬助だけではないはず。日本中のミリタリーヲタたちが、やっほい!! と歓喜の声をあげたことは、想像に難くありません。
F35とはステルス性を備えた第5世代のジェット戦闘機。
日本では青森県の三沢基地に配備が決まっているもので、三菱重工によってライセンス生産された機体もすでにロールアウトしています。
しかしこれらは全て「F35A」。
予定されている任務は領空侵犯や警戒監視ということで、現在F4が担っている活動の後継でしかありません。
一方で今回、紙面にも上り話題になっているのは「F35B」。
この戦闘機がなぜ「やっほい!!」なのか? それでは「A」と「B」、いったいどこが異なるのかを見ていきましょう。
F35の海兵隊仕様が「B」タイプ
すでにアメリカで運用が開始されているF35は大きく分けて「A」「B」「C」、3つのタイプが存在します。
「A」は従来日本が運用してきた多くの戦闘機同様、滑走路を用いた離発着をおこなうもの。
現在、三沢基地でF4が担っている任務を引き継ぐ用途で導入されるというのは、すでに述べたとおりです。
そして「C」とは空母での運用を主に開発されたタイプ。現在の米軍主力艦載機F18の後継とされており、日本には今のところ関係がないものです。
一方で「B」とは本来、海兵隊での用途に開発されたタイプ。
遠方に人員や物資を展開する際に、上空からの支援する目的で開発されたもの。
ですからF35Bは、上陸部隊を搭載した強襲揚陸艦(空母に似た甲板を持つ船舶)から離発着がおこなえる設計になっているのです。
新設される水陸機動団の支援戦力として
こんな話を聞いていると、
「専守防衛をコンセプトとしている自衛隊なのに、なぜ上陸戦で運用されるF35Bが必要となるのか?」という疑問が浮かびます。
専守防衛だから他国に攻め込む戦力は必要ないはずなのに、なぜ上陸作戦で活躍するF35Bが必要なのか? 不思議ですよね。
それは離島防衛・島嶼(とうしょ)防衛にF35Bが必要だから。
日本には主なものだけでも7,000弱の島があり、それら全てをを防衛する必要があります。
しかし、全ての島に部隊を駐屯させるのは現実的ではありません。
ならば他国による侵攻を受けた際に、いち早く排除できる戦力を所有しよう。その発想から新設されることが決まっている部隊が「水陸機動団」。
その支援戦力として用いられる予定なのがF35Bということです。
ミリヲタが長年夢想してきた戦力が整う
「日本みたいな小さな国が……」
太平洋戦争を回顧する際には、中国やアメリカなんぞにケンカを売ったと後悔と共に。戦後の高度成長を回顧する際には、よくぞGDP世界一を成し遂げたと大変な誇りと共に。それぞれ用いられるフレーズです。
確かに日本の国土面積は約38万平方km、世界ランキングで見ると62位。
世界地図で色付けされている日本列島だけ見ると、確かにこのフレーズにはリアリティがある気がします。
しかし、日本の「排他的経済水域」に着目すると大きく話は違ってきます。
その面積は447万平方km、世界ランキングでは第6位という堂々たる大国=海洋国家なのです。
ならば、海洋国家にふさわしい防衛戦力が必要ではないか?
つまり、平成30年春に設立される水陸機動団、内閣が調査を命じた日本版トマホーク、そしてF35Bがそれに当たる……ミリヲタが古くより主張し続けてきた防衛体制がやっとのことで整うということで、多くの人が歓喜の声をあげたのです。
最後に犬助を含む一般的なミリヲタとは、F35Bが使用される事態を望むような人種ではないということを付け加えておきます。ミリヲタとは、美しい兵器が使用され壊されるのを嫌う人種のこと。平和だからこそ、F35Bの垂直着陸を目近にできるというチャンスもあるのですから。