3ピースバンド『ポリス』のサウンドを支えた個性派ギタリストの話

  • 2018/12/28
  • ライフスタイル・娯楽
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ギター

ポリスの支柱「アンディ・サマーズ」

1970年代後半からヒット曲を連発した、伝説的なバンド「ポリス(The Police)」。
久しぶりにその名を聞いて、懐かしい気持ちになった人もいるでしょう。
ポリスは本国イギリスのみならず、日本を含む全世界で成功を収めたわけですが、その理由の1つに「バンドサウンドが個性的であった」ことがあげられます。
圧倒的支持を受けた独特の世界観も、斬新なサウンドによるものといって過言ではありません。

ポリスのバンドサウンドに魔法をかけていた人物は、同バンドのギタリスト「アンディ・サマーズ」。
アンディは派手なプレイで魅了するタイプのギタリストではありませんが、奏でるサウンドが超個性的で、他のギタリストとは明らかに一線を画していました。

 

アンディが奏でる独創的なサウンドの秘密

今では、複数のエフェクター(音響効果を与える機材)を使って、ギターサウンドを変幻自在に変える…というのが当たり前のことのように行われていますが、いち早くエフェクターの可能性を示していたのが他ならぬアンディです。
アンディが好んで使っていたのは、空間系エフェクターに分類されるコーラス、ディレイ、リバーヴなどのエフェクターで、使い分けや組み合わせにもこだわっていました。

もう一つ、サウンドの要となっていたのは、分散和音(アルペジオ)です。
パワーコードや、ブルースのペンタトニックスケールを使ったリフが一般的だった当時としては、かなり新鮮かつ衝撃的だったに違いありません。

この時代には、テクニカルなギターソロでピロピロ言わせている花形ギタリストが台頭していて、そんなギタリストに憧れていた人も多いはず。
一方、アンディはサウンドこそ個性的ではありましたが、プレイはどちらかといえば大人しく(っていっても、難易度の高いコードやアルペジオもサラッと美しく弾いてのける等、技巧派な一面もありますが)、ボーカルや楽曲の魅力を引き出すことに専念していたように見えます。

なので、ギターヒーローというイメージこそ薄いかもしれませんが、アンディは間違いなく世界最高峰の『バッキングの名手』!
大人になってからアンディの良さがわかるようになったという人もいるのではないでしょうか。

 

順風満帆と思いきや、超遅咲きだった!

ポリスの大ヒット曲「Every Breath You Take(見つけていたい)」は、2012年の英国放送協会の調査によると、この曲だけで20億円以上の収益を上げていることがわかりました。
勝ち組以外の言葉が見つからないのですが、ポリスに参加した1977年当時、アンディの年齢は35歳。
ポリス加入まで、さまざまなバンドや活動を経てから、大学で音楽を学んだこともありました。
しかしながら、これらの経歴なくしては、ポリスの成功はなかったはずです。

 

ポリスの解散と、その後

大成功を収めたポリスですが、活動期間はそれほど長くなく、1984年に活動休止を宣言し、1986年にふたたび3人が集結したものの、またもや活動を休止しています。
その後、久しぶりに大きな活動を見せてくれたのが、デビュー30周年となる2007年。
ポリスのドキュメンタリー映画が公開され、80本を超えるワールドツアーも行われました。
サポートメンバーのいない完全3ピースだったのも印象的で、今も多くのファンに語り継がれています。

アンディ個人としては、教則ビデオやTVシリーズ「ザ・ヒッチハイカー」「アナザー・ユー」などへの出演、レコーディング、TV番組のテーマ曲、写真撮影など、多岐にわたって活動。
2013年には、アンディの自伝を原作とした映画「ポリス/サヴァイヴィング・ザ・ポリス」が公開されました。
サウンド面でも精神面でもバンドの支柱的な存在だったアンディのドキュメンタリーとあって、感慨深い1本となっています。

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