60~70年代の音楽界を席巻した天才「レオン・ラッセル」
- 2018/12/19
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レオン・ラッセルという男を知っていますか?
レオン・ラッセルは知る人ぞ知るミュージシャンではありますが、もしかしたらラッセル本人よりもラッセルが生み出した曲のほうが有名かもしれません。
時代が変わっても、ラッセルほど世界中で曲をカバーされてきたミュージシャンは、そんなに多くはないはずです。
ラッセルは「ソング・フォー・ユー」の生みの親
ダニー・ハサウェイ、カーペンターズ、アンディ・ウイリアムス、ヘレン・レディ、シェール、カーメン・マクエレ、アラサ・フランクリン、ジョーコッカー、レイ・チャールズ、ニール・ショーン、ホイットニー・ヒューストン、エイミー・ワインハウス…。
数々のシンガーがカバーした「ソング・フォー・ユー」は、他でもないラッセルの楽曲です。
日本でも、鈴木雅之やアンジェラ・アキなどの実力派にカバーされ、時代が変わっても愛され続けています。
ソング・フォー・ユーの他にも、カーペンターズやルーサー・ヴァンドロスらがカバーした「スーパースター」、ジョージ・ベンソンやヘレン・レディらがカバーした「マスカレード」も有名。
特に、60~70年代にかけては、ミュージシャンでありながらも有名な作曲家として活躍し、その後登場するロック・スターやミュージシャンたちにも多大な影響を与えました。
ロック・スターに影響を与えたスワンプ・ロック
ラッセルは「スワンプ・ロック」を代表とするミュージシャンの1人です。
スワンプ・ロックのスワンプとは、湿地帯という意味を持ち、ルイジアナやテキサス東部などの海岸地帯を指します。
泥臭いサウンドが特徴で、土台にはアメリカのルーツロック、ソウル、ブルース、ゴスペルなどの要素があり、ラッセルをはじめとするミュージシャンたちが個性的な楽曲を発表していました。
エリック・クラプトンやローリング・ストーンズ、ジョー・コッカーなど、多くのスターがスワンプ・ロックの影響を受けたことで知られていて、ストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」「ダイスをころがせ」「ブラウン・シュガー」などの名曲もスワンプ・ロックの要素が垣間見えます。
豊富なキャリア
ラッセルはオクラホマ州出身。
オクラホマ州は、アメリカ合衆国の南中部に位置し、インディアンの保留地が多いことでも知られています。
ラッセルは、10代前半という若さですでにナイト・クラブでキーボーディストとして音楽活動をスタートし、後にグラミー賞を受賞したシンガーソングライターJ・J・ケイルと「スターライターズ」を結成。
のちに「ブレッド」で活躍してヒットを飛ばすことになる同郷のデヴィッド・ゲイツらともバンドを組んだことがある他、ローリング・ストーンズやジェリー・リー・ルイスらのレコーディングにも参加しました。
アメリカのインストゥルメンタルバンドとして有名な「ベンチャーズ」のレコーディングでは、「十番街の殺人」や「朝日のあたる家」を演奏し、同バンドのノーキー・エドワーズがリリースしたソロアルバム「Nokie!」では、ライナーノーツを執筆したこともあります。
多岐にわたって活躍の幅を広げてきたのは言うまでもなく、ソロ・アーティストとしてスタートした1970年からは生涯にわたり数多くのアルバムをリリースしてきました。
晩年も精力的に活動
Leon Russell and John Mayer “A Song For You”
2010年には、ラッセルを敬愛していたことで知られているエルトン・ジョンとのコラボレーション・アルバム「ザ・ユニオン」をリリース。
2011年には、ロックの殿堂の「レコーディング・エクセレンス」にも選出されました。
2016年11月、73歳で惜しまれつつ生涯を閉じたラッセル。
死後にリリースされた遺作となる「ラスト・レコーディング~彼方の岸辺で」は、集大成とも言える魂のこもった1枚となりました。
興味がある方は、ぜひ聴いてみてください。
不朽の名曲を生み出してきた、ラッセルのセンスをびしびし感じるはずです。