ドクターカーと救急車の違いって何?維持費が数千万するって本当?

  • 2019/01/16
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海外の医療ドラマでは、お馴染みになっている、救急現場に医師が車で到着するシーン。

救急車に医師や看護師が同乗し、救急医療措置を行い車を、ドクター・カーと呼ぶが、この名前が定着したのは
平成に入ってからだ。

私の父がガンで亡くなったのは、バブル崩壊直後。
父は、勤務先の近くの搬送先の病院から医師が同乗する救急車に乗せられ、医療センターに運ばれたが、
その時は『私設救急車』と呼ばれていた。

あれから、かなりの年月が経つが、救急医療の最前線を走るはずのドクターカーの稼働率は6割だという。
その理由はどこにあるのか。

 

ドクターカーは有料、救急車は無料

ドクターカーは有料、救急車は無料

日本で初めてドクターカーが出来たのは、1979年(昭和54)。
西宮消防局と隣接する県立西宮病院がはじめた。

ドクターカーは、消防局から救急車が出動し病院で医師をピックアップするものが多い事と、救急車タイプの方が、
医療行為を施せることだった。

救急車を発動させるか、ドクターカーを発動させるか決めるのは、119番通報をうけた消防局の判断に委ねられるが、これは『船橋方式』と呼ばれている。

’92年(平成4)に、船橋医療センターが現場の患者の重篤度、患者の治療優先順位にあわせてドクターカーを
発動させるか、救急車にするか決めた事が全国に広まった。

救急車とドクターカーの違いは、医師が同乗するかしないかという違いで、ドクターカーの費用は、
病院や自治体が負担してくれる所もある。
病院や自治体がドクターカーに力を入れている所は費用が病院または自治体が負担してくれるが、
そうでない所もあるのが現状だ。

ドクターカーは、救急医療科の医師と看護婦が同乗し、救急車は救急救命士が同乗する。

私の父のケースでは、当時2万円かかったのを覚えている。
実際にドクターカーが稼働したという点では、’86年の会津若松市の会津中央病院からだというのだから、
父の時代は、ドクターカーそのものの知名度はまだ、なかったかもしれない。

今までは蘇生技術の進歩で、救命と患者の重症化の防止、適切な病院に搬送する事が求められる様になった。

全国有数の出動数を誇りドクターカーの出動基準を作った船橋医療センターの角地祐幸・救急科部長は
『現場でどこまでできるか模索している段階』という。

ではドクターカーには、どの様な種類があるのだろうか、また維持費はどれぐらいかかるのだろうか。

 

ドクターカーの種類は様々、年間維持費は高額

ドクターカーは、大きくわけて、マイクロバス方式、救急車方式、乗用車方式の3タイプがあり、マイクロバスと救急車は、以下のタイプに分けられる。

1:救急車やマイクロバスタイプ
2:循環器専用(モービルCCU)
3:新生児搬送用
4:DMAT(災害支援用)

大半は、1タイプで、新生児搬送用は、全国10箇所の総合周産期母子医療センターにある。
鹿児島には多機能消防車をベースにした消防車DMATがある。

年間維持費は1台数千万になると言われているが、日本病院前救急診療医学会の委員会が行った調査によると、
全国の426病院でドクターカーを運用しているものの約7割が、3カ月間出動せずに休眠している事が判明。

都道府県別でみると、最多は大阪府吹田市にある済生会千里病院の853回で、都道府県別にみると
秋田、福井、三重、香川、大分は出動回数ゼロだった。

医師や運転手の確保、消防との連携や維持費に問題があるとし、その費用の多くも自治体からの持ち出しなのが
ネックになっている。

だが、医療資源が乏しい所や、医療的にニッチな所にこそ、ドクターカーは必要だと救急医療に携わる人々は言う。
それはどんな人だろうか。

 

ミスタードクターカーの挑戦

日本の乗用車タイプドクターカーの先駆けと言われるのが、’14年3月から岐阜の中津川市民病院で
救急診療部長として活躍する間渕則文さんだ。

『ミスター・ドクターカー』と言われる間渕さんは、それまで予算のある大都市が、心肺停止患者の蘇生や、
重篤患者の救命措置を行う為にドクターカーを導入するという概念を覆した。

医療の手が及びにくい所や分野にこそドクターカーは必要とされるという概念を医療現場に持ち掛けた人物でもある。

間渕さんが救急医療、しかも医療過疎地で関わるきっかけになったのは、ドイツで出逢った麻酔医と、
祖父の存在だった。

ドイツの麻酔医は救急救命医を兼業しているケースが多く、間渕さんの祖父は、開業した医院を間渕さんの
叔父に任せ、晩年は過疎地医療に尽力注いだという。

中津川を選んだ理由は、中津川では急患が出た場合、50km離れた多治見市まで搬送されていたからだという。
搬送される間に、容態が悪化する人、亡くなる人を防ぐのが救急医師としての使命という事で、間渕さんは
この土地を選んだ。

’14年3月の運用から、年度末まで270件の出動要請があり、救命率が3%から19%に上がったという事は、
災害指定病院並の数字だ。

もう一つ、近年の例で言うと、’17年に出動要請件数日本一となったのは、尼崎総合医療センターだ。
ここは小児ドクターカーの先駆けで、小児救急医が同乗するケースは全国でも初と言われている上、
今後もニーズが増えると言われている。
いかがだろうか。
救急車を呼ぶのが無料な国は、先進国の中ではおそらく日本だけだろう。

だが高齢化が進み、家で倒れた人の救命措置が救急車では間に合わない場合、
ドクターカーの出動要請がかかる時も来るかもしれない。
そのドクターカーの未来を支えるのは他ならぬ、私たちなのだ。

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