「硬い布団が良い」「足を組んではいけない」という腰痛にまつわる誤解
- 2017/07/12
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辛い慢性腰痛
腰痛は高齢者だけの病気ではありません。
現代人は、デスクワークやスマートフォンの操作などで、長時間同じ姿勢でいることが増えたため、若い人にも多く見られるようになりました。
腰痛を起こす病気は沢山ありますが、整形外科で多く見られるのは椎間板ヘルニア、すべり症、脊柱管狭窄症、変形性脊椎症です。
腰椎間板ヘルニア
腰椎間板ヘルニアになると、腰や尻に痛みが生じます。
下肢にも痛み・痺れといった症状が現れ、足に力が入らなくなることも。
椎間板が変形して組織の一部が飛び出すと、椎間板の近くにある神経を圧迫してしまい、痛み・痺れの症状を引き起こすのです。
腰椎間板ヘルニアの原因は、骨の形や体質といった『遺伝』、動作・姿勢の『環境』、さらには『加齢』による要因が大きく関係しています。
すべり症
すべり症は「脊椎分離」とも呼ばれています。
脊椎が椎弓のところで切れて不安定になることで、痛みが発生します。
成長期に激しいスポーツをしていた人によく見られます。
脊柱管狭窄症
神経が砂時計のように圧迫され、歩行時に痛みが生じやすい病気です。
変形性脊椎症
加齢によって骨や関節の変形が起こると、神経が圧迫されて関節炎などの症状が現れます。
「腰痛にはせんべい布団がいい」は大間違い!?
「腰痛には硬いせんべい布団がいい」「足を組んではいけない」と聞いたことはありませんか?
実際にインターネットで検索してみると「硬い布団で寝たほうがいい」「足を組んだら骨盤が歪んでしまう」といった情報ばかりが目につきますが、一方で腰痛時に「4センチほど沈む厚いマットレスが好ましい」「足を組んだ方が腰への負担がすくない」と指導する病院もあります。
せんべい布団は腰痛を悪化させる!?
一時期「せんべい布団のような固い寝具が良い」という説が広まりましたが、近年腰痛で病院に訪れた人のうち「せんべい布団に変えなさい」と指導を受けた人はどれほどいるでしょうか。
考えてみるとわかりますが、板の上で寝ていたら体のあちこちが痛くなるのは目に見えています。
“ほどよく柔らかい寝具”を勧める病院があっても不思議ではありません。
確かに硬い布団は腰が沈み込まないものの、腰・背中・首などにスキマが生じて、布団に接している関節などに負担がかかってしまうからです。
柔らかすぎる寝具も考え物
一方、体が深く沈み込んでしまう寝具も、腰に負担をかけることになります。
寝ている間に腰に体重がかかってしまい、起床時に腰痛が悪化することもあります。
腰痛を改善したいなら自己判断はNG
「腰痛にはコレがいいってウワサで聞いたから」と自己判断でケアすると、腰痛が悪化する恐れがあります。
腰痛が悪化すると日常生活に支障をきたすため、真偽が定かでない情報を鵜呑みにせず、医師に相談することをおすすめします。
症状に合わせて腰痛が楽になる寝具や姿勢、ストレッチ方法などを指導してもらい、必要に応じて治療・投薬・リハビリを受けて腰痛の改善を図りましょう。