秋冬物のオーダーなら今!このタイミングで上手なオーダーの仕方を再確認しておきましょう。 – その1
- 2018/09/21
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やっと秋らしい日も出てきましたね。自然の涼しい風を身体中で感じる気持ち良さを再確認できる良い季節です。
寒いところで育った私としてはもう少しキリリとした冷たさを感じる風が恋しいのですけど、でも生ぬるい風が少なくなっただけ、かなり心地良くなりました。まだ日中は暑かったりして本格的な秋冬物は着られませんが、そんな事を言っている期間もあと少しです。
こんな時期にしておきたいのが秋冬物の準備。既製服は寒くなった時に買えば次の日から(着たければ買った直後から!)着ることが出来ますが、オーダーだとそうはいきません。ですから、オーダーを考えるならもう今からでも全く早くはないのです。という事で、服を楽しむならこの季節からですし、服を楽しむならオーダーも楽しんで欲しいですから、オーダービギナーの方はもちろん、経験者の方にも参考にしていただける様なオーダーの仕方やコツをお届けしたいと思います。
生地も季節で入れ替わる
オーダー用の生地もシーズンで変わります。春夏物と秋冬物があり、明確に異なるのです。これからの時期に春夏物を着続ければ、それは季節外れを着ている事になるので気を付けましょう。
そして、いまの時期ならもう秋冬物の生地が出揃っています。このシーズン物の生地には当たり前の様に数に限りがあるので、人気の生地から無くなっていきます。ですから、オーダーをするにも生地をなるべく多くの種類から選びたいなら、やはりタイミングが重要なのです。秋冬物なら、いまがちょうど良い、という事になります。
扱う生地のブランドが店で1番のウリになっていないか?
オーダーでもブランドが出てきます。テーラーの店名や名前もそうなのですが、それがブランドになっているのはごく少数。それ以外がどうするか?というと、安易なのは生地のブランドをPRする、というもの。「とても高級で高価な生地のブランドを扱っていますよ」というのを出していくのは、結構どこでも行われます。
つまり本来の「仕立てる」という部分にウリがないテーラーほど、扱う生地のブランドに頼らないとPR出来なくてなっているという事。ホームページなどを見て、扱っている生地ブランドだけを大々的に宣伝しているテーラーほど、仕立ての技術は怪しいかも?と疑っても良いでしょう。
生地のブランドに惑わされない
イタリアの高級生地ブランドを扱っていた所で働いていた私が言うの?と思うかもしれませんが、生地が分かるようになってくると、生地をブランドでは選ばなくなります。あくまで生地そのものを見て判断しますから。そういう意味で言えば、歴史のある高級有名生地ブランドなどで、「昔から高い評価を得て各国のセレブに愛されている」なんて売りのところは要注意です。当時目利きのセレブに愛されていた様なクオリティの生地は、残念ながら現在ではほぼ生産不可能。現在は、その当時の生地に似せた劣化版を同じ名前で売っている、なんて実情になってしまっているところもありますから。
自分の目で生地を見て判断したいですし、判断出来ないのなら、ブランドに頼らず生地そのもので提案してくれるテーラーが良い、という事になります。
自分の要望を100%通すものではない
オーダーというと、自分の要望を全て満たしてくれるものだと思っている方も少なくない様です。しかし、そんな事は実際不可能です。素人は服の構造も知らないのですから、もし服を作るための全ての判断を任せられたとしたら、服の形にさえならないでしょう。オーダーとはテーラーと自分との共作です。だからこそテーラーそれぞれに違いがあり、ファンが分かれているのです。
共に創る服ですから、自分の要望を伝える時も一方的なのはよろしくありません。「ちょっとそこを細くして」なんていう要望は、服の構造上、そこだけ細くするわけにはいかず、その他や全体に影響を及ぼす事は当たり前の事です。どこかを細くする事で、デメリットの方が大きくなる場合もありますから、「ここを細くして欲しいのですが、どうでしょう?」という様に、確認しながら要望をしていく方が良いでしょう。
お店に行く時はオーダーする服に近いものを着よう
スーツをオーダーするなら、スーツを着て行くし、ジャケットのオーダーならジャケットを着て行くものです。別に、そのお店の服である必要はありません。また、家にあってどうでも良くなった、着ていない服を着て行くのも違います。例えば、ジャケットをオーダーしに行くなら自分の1番のお気に入りのジャケットを着て行く事をお勧めします。オーダーを受けるテーラーはそこから、あなたの好みを推し量るのですから。
そして次は…と、まだまだ書くことが盛り沢山。結構あるものだなと改めて思いますが、最近お手頃になったとはいえ、お金も手間もかかるものですからね。ハズレを引かないように選択眼は磨いていきたいものです。と、いうことでチェックポイントは次回へ続きますのでお楽しみに。