経済成長率が鈍化する中国と対中ODAを廃止する日本
- 2018/11/06
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中国の成長も先が見えたか?
世界で最も多くの人口を抱えている国、中華人民共和国。中国共産党が率いる国でありながら、西側的な要素を取り入れることで経済成長を実現し、日本を抜いて世界第二位の経済大国と呼ばれるまでになったことはすべてのオヤジが知るとおりです。
そして、中国の経済成長がここへ来て鈍化していることも周知されるようになっています。具体的には、四半期ごとの統計で、コンマ数ポイントではあるものの、前期を下回るGDPの伸び率となっているのです。
現状では6パーセント台の成長をキープしてはいるものの、日本を追い越しアメリカに肉薄するぞ!という勢いのあった時期からは大きく後退しているといわざるを得ない状況です。
そして、中国依存度を深める国々では、この中国の減速を心配顔で見るオヤジ連中が少なくありません。しかも、中国当局が発表する数値はどこまで信用できるのかという懸念まであり、なかなか困った話になっているようです。
さらに、トランプ政権と習近平政権で戦われている米中貿易戦争の行方も不透明な状況となっています。
一部のオヤジからは、だから中国に頼るのはよせといったのだ。との指摘も聞こえてきます。13億人の市場は魅力だと、西側での人口と同じように考えていたツケが回ってきたのだと。まったくもってそのとおりなのですが、頼ってしまったものは仕方がありません。
もう、戻れない道にはまってしまったようなものと表現するのはオーバーですが、このままではそれに近い状況となるでしょう。考え方を一気に変えない限り。
そんな中、ついに日本政府は対中ODAをやめるという判断に至ったようです。ODAとは政府開発援助と呼ばれるもので、ザックリいえば先進国が発展途上国を支援するために金などを出すというもの。
ODAもやりようがある
中国はかなり前から経済的には発展途上国といえない存在になっていました。少なくとも、日本を抜いて世界第二位の経済大国と呼ばれた時点で、日本が中国を相手にODAを実施すること自体が奇妙奇天烈な話だったのです。
対中ODAに関しては、反日・対日軍事大国化に手を貸す結果になったとか、中国が他国への支援する原資を出してやるようなもので、日本の金で中国の顔を立てているといった批判が強かったことを思い起こします。
少なくとも、中国国民は日本がODAで中国を支援していることなどほとんど知らされていない実態がありました。これは、韓国における「謝罪と賠償がない」という認識と同じようなもので、反日国家の面目躍如とでもいったところでしょうか。
さて、この対中ODAですが、やめるに越したことはないものの、現在の金額的には、やめても中国側には痛くもかゆくもない程度となっています。日本が外交音痴といわれたのは、そのとおりとしかいいようがありません。
なにしろ、中国にとってなくなっても困らない金額ということは、中国を怒らせない配慮ともいえるわけです。それで日本にメリットがあるならよいですが、どうなんでしょう?
まさか、中国の態度を硬化させないことがメリットだなどど、のん気な話ではないでしょうが。仮に、そのような判断であれば、中国依存症が疑われます。もちろん、いたずらに対立を煽るのはよろしくありません。
結局のところ、日中関係の悪化と裏腹に、経済的な関係が深まったことからやめるわけにいかなかったのがODAということでしょう。そして、中国の状況が、成長率が鈍っているとはいえ、世界第二位にして現在も成長中であるいまなら廃止できるとなったわけです。
ここへ来て、中国側も自国が大国であり日本のODAを受ける必要がない存在であることを意識しているような報道もあります。このことは、日本にODAをやめてもらいたいともいえる要素です。
いずれにしても、今後、日本が損をしないためには、どの国が相手であっても、こういった深みにはまるような状態は避けなければならないでしょう。