自衛隊がオスプレイを導入するメリットを改めて!
- 2018/09/08
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改めてオスプレイとはなんぞや
オスプレイの名は頻繁に聞かれますが、配備に反対している人も賛成している人も、あまり興味のない人も、オスプレイが何者なのかをよくわかっていない様子がうかがえます。もちろん、軍事評論家並みに詳しい人もいるでしょうが、ここは改めてオスプレイの基本的な事柄を確認しておきましょう。
オスプレイとは、アメリカの軍用機(ベル・ボーイングV-22)であり、ヘリコプターと固定翼機の機能を併せ持った機体として有名です。ヘリコプターと同様に垂直離着陸機であり、条件次第ですが運用に滑走路を必要としません。滑走路が必要な場合でも、短くてすみます。
飛行中はローター(エンジンナセル)を固定翼機のプロペラのように前倒しすることで、高速性能を発揮します。さらに、ヘリコプターよりも長い航続距離を持っています。また、ヘリコプターの機能を使えばホバリングも可能となることから運用の自由度が増し、単一のヘリコプターや固定翼機を採用するよりも「おいしい機体」です。
さらに、エンジンナセルを中間に位置させることで、短距離離着陸機として運用することも可能とされています。
オスプレイの用途は、主に輸送であり種別も輸送機です。そのため、攻撃用の兵装はなく、自衛のための小火器の搭載が可能となっている程度で、その意味での戦闘能力は低いといえます。
オスプレイについては、その特殊性から安全性に対する懸念が指摘されることもあり、とくに、沖縄における反対運動などでも事故の多さが問題視されています。
ただ、各種のデータではオスプレイの事故率が特段に高いといえるかどうか微妙な部分があり、断定的なことはいえません。もっとも、安全側に立てば、不明なものは危険として考えるのが、安全保障に適した考え方だともいえるでしょう。
ただし、現時点で日本国政府として「オスプレイが危険度の高い機種」だとの認識は示されていません。このところの報道を見ても、危険度が増した様子はないようです。また、米軍における事故は、その任務の内容にもよるため、単純に機体の安全性の議論にはならないとの意見もあります。
自衛隊の導入メリット
さて、本題のオスプレイを自衛隊が導入するメリットをみてみましょう。すでに確認したように、オスプレイは従来型の航空機とは一線を画すものです。日本のように国防がタブー視される傾向のある国は、あれもこれも揃えるというわけにはいきません。
そうすると、単なる輸送ヘリにはない高速性と航続距離を実現しながら、ヘリコプターのよさも備えているオスプレイは、たった一機種で輸送作戦に柔軟性を持たせることができる機体だといえます。
2018年8月には、防衛省と佐賀県の間で、佐賀空港へのオスプレイ配備が合意をみています。佐賀空港には最終的に17機のオスプレイが配備される予定で、年間5億円の着陸料が20年間支払われる契約です。
ちなみに、この17機のオスプレイは南西諸島の防衛を強化する目的で配備されます。離島防衛などを考えると、長距離を高速で駆けつけて、ヘリのような活動もできるオスプレイの特殊性は十分なメリットとなり得るでしょう。
もう一点、自衛隊の大きな任務のひとつに災害派遣があります。長い航続距離を生かして、遠く離れた被災地へ物資や人員を運ぶことが可能なオスプレイは役に立つといえます。それだけなら、他の輸送機でもできそうですが、滑走路がなくても活動できるのがオスプレイです。
着陸できる空き地があれば垂直着陸できますし、ケースによってはホバリングで対応という選択もできるでしょう。
ただ、オスプレイの高さにはビックリする部分もあります。調達価格は、機体価格で1機あたり100億円以上、付随する費用を含めると200億円以上もかかるとされる高価な機体です。これは主力戦闘機であるF15Jに匹敵し、下手をすると追い越してしまう価格。
とはいえ、オスプレイが高いか安いかは、運用の結果を見てみないことにはなんともいえません。