インドはいかにしてIT大国になったのか
- 2018/06/24
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IT大国に違和感さえ感じてしまう国インド
世界で人口の多い国と言えば、中国が14億人で世界を圧倒しています。
ですがインドも13億人を超え、増加数は著しく中国に迫る勢いです。
このインドには今や世界の名だたるIT企業が進出しているIT大国でもあります。
イメージ的には南アジアの暑い気候でもあり、急激な人口増加による貧困層の多さも想像されてしまいます。
確かにインドの人の約2割は1日を100円以下で生活している貧困とされていて、世界的に見てもその割合は高いものです。
それも13億人の2割ですから数にすれば、世界一なのです。
それなのになぜITで先進国になっているのか、しっくり来ないからこそ興味深いものがあります。
・インド人のIT分野での世界進出
それだけでなくアメリカのシリコンバレーで働いている人はインド人ばかりなのだそうです。
日本でもあのソフトバンクの孫正義氏の後継者としてインド人の名も挙げられていました。
マイクロソフトにしても同じような流れになろうとしています。
もはや世界のIT企業をけん引するのは、アメリカ人でも日本人でもなくインド人へと様変わりしようとしているのです。
インド人の特徴を活かした教育
インドは現在、貧困国家ではありますが、教育国家でもあります。
貧困から脱却させるには教育しかないと、国は約半世紀も前から教育に力を入れて来たのです。
特に数字への強さを活かした理系教育を充実させています。
・新しいものが好き
知らないものや新しいものに対しての興味が高いのもインド人の特徴とされています。
わからないことにはわかるまで質問を繰り返す積極性もあります。
一般には馴染みづらいIT関連の知識を習得するには、適性が高い人たちなのでしょう。
・英会話ができる
インドはかつてイギリスの植民地であったこともあり、英語に馴染みのある人も多くいます。
そこに国の語学教育の意識の高さが加わり、英会話能力の高い人が多くいるのです。
ITの本拠地にいるアメリカ人と普通に会話できるのは、アメリカにとってもメリットの高いのです。
・数学ができる
インド人は誰でも掛け算九九を99×99まで暗唱できると言われています。
国が率先しているとは言え、実際に対応できているほどのレベルの高さがあるのです。
ITには論理的な思考も求められ数学が関与するところも多いので、インド人にIT産業は向いているのでしょう。
インドならではの特殊事情
・アメリカとの位置関係
実はインドの地理的事情にも深い意味があります。
アメリカのIT拠点シリコンバレーとは、丁度地球の反対側に位置している国なのです。
このことは時差が12時間あることになります。
そこでアメリカとインドで同時にIT開発を進めれば、24時間絶え間なくできることになります。
つまりインドを利用してIT競争で世界を席巻しようとする戦略に組み込んでいるのです。
IT開発にはどれだけ距離が離れていようが、全く業務に支障は無いのです。
いくらインフラの整備されていないインドであってもそれも関係ありません。
このインドの地理的メリットを活かしたアメリカに目を付けられたことも、インドにとってビジネスチャンスが広がる結果になったのです。
・カースト制度と関わらない
インドで長い歴史のあるカースト制度は、身分差別を認めるもので職業選択にも反映されてきました。
さすがに今では廃止されてはいますが、それでも未だにその影響は拭い切れてはいないようです。
ところが、IT産業はカースト制度が廃止されてから生れた産業ですのでカースト制度の影響は全くありません。
これがインドで多くを占める身分の低い人がこぞって職業にしようと切磋琢磨していることから、競争によりIT産業を高いレベルに持ち上げているのです。