もりあがっている時に水をかける人を無視すると、企業の損失になる理由って?
- 2018/09/01
- ビジネス
- 309view
- キャリア
- キャリア
- ビジネス
- 企業
- 会社
会社のプロジェクトで、部署の面々が盛り上がっている時に、必ず一人は存在する。
皆の提案に、水をかけるかの様に、慎重な案を出す人だ。
これを『空気が読めない』『腹の立つ人』と無視するのは勝手だが、仕事を無事終えた後に残るのは改善策や課題だ。
その時に浮上してくる改善策や課題は、皆がハイテンションで盛り上がり、仕事をイケイケドンドンで押し切った時に、『水を差す人』が指摘した内容そのままだったという笑えない話もある。
もし今の今まで、貴方の会社や部署が、こうした慎重派の意見に一切耳を貸さなくても良かったのであれば、それはたまたま運がよかっただけの話だ。
ではなぜ、この様な人の話は、仕事上、聞いておかなくてはいけないのか。
提案に水を差す人が現れるのは理由がある
会社や遊びのイベント企画などで、必ず水を差す人が現れる現場には、いくつか共通点がある。
同類ばかりが集まり、建設的な議論がなされていないというのが、特徴だが、それ以外にも以下の3つが挙げられる。
1:目の前にある、仕事(イベント)を片づける事で精一杯
2:イケイケ、ドンドンで、攻めと直感で物事が進んでいる
3:明るく、楽しい、多数派こそ全てがうまくいくという風潮が流れている
その為『守りの発言』や客観的思考は、部署全体の人間から『聞かなかった事』にされてしまいがちだ。
本来であれば『守りの意見』は『攻めの考え』とかみ合ってこそ、いい仕事から生まれる。
だが、攻めの考えに押し切られると『守りの意見』は、明るく楽しい流れに水を差す悪者扱いされてしまう。
提案に水を差す人の意見が正しかったと表面化するのは、残念ながらプロジェクトやイベントの終了後。もしくは、しくじった時だ。
その時に、何故プロジェクトがしくじる前に一言いってくれなかったんだ、と聞くと、彼らは決まってこう言うだろう。
あの時、君たちは、誰も僕の提案に耳を貸さなかっただろう?
そうなのである。
守りの意見を無視したからこそ、プロジェクトやイベントに、後から綻びが出てしまうのだ。
主催者のプライドが高く、イケイケドンドン型だと、この様な振り返りもやらない場合も多々ある。
では、何故、どのプロジェクトでも、この様な事が後で起こってしまうのか。
人は明るく、声の大きい人に引きずられがち
歴史に残る功績は『攻め』と『守り』、攻防一体となって成功している。
華やかな部分ばかり評価されがちだが、守りという地味な仕事があってこそ華やかな功績は、はじめて評価される。
人は耳障りのいい事を言い、明るく楽しい事を言い、主張が社内で通りやすい『声の大きい人(発言力のある人)』に引きずられがちだ。
今の政治も国内外そうではないだろうか。
選ぶ政党がないから安倍さんに入れている、米国では鼻をつまんででもトランプに票を入れている。
それは国のトップに立つものが、耳障りの良いことしか言わないからだ。
その点『攻め』と『守り』をうまく使い分けた政治家といえば、’18年8月25日にこの世を去った、米共和党の重鎮、ジョン・マケインかと思う。
’03年のイラク戦争時の武力行使では『攻め一辺倒』で褒められるものではなかった。
ベトナム帰還兵でありながら、自らの政策で多くの国民志願兵をPTSDに追いやる不毛な戦争に追いやったのは、政治家としては汚点だろう。
その後のマケイン氏は『攻め』と『守り』を一体化させた人権穏健派に転向。
’08年の大統領選では、民主党のオバマ前大統領との戦いで支持者に『オバマは信用できない、あいつはアラブ人だ』と言われ、マケイン氏は『それは違う。彼はまっとうな米国市民だ。相手に敬意を表するのが米国市民のやり方だ。』と切り返した。
トランプのイケイケドンドンな米国至上主義にも、『正当な質問や報道の自由から、自ら独裁防衛をしようと意識的発言をしている』と厳しく指摘。
医療保険制度改革法(オバマケア)撤廃法を強行採決しようとするトランプにも、マケイン氏は、民主党議員に交じり『NO』を訴え続けた。
日本人の考えでは、その発言は『水を差す』ように見えたり『和を乱す人』に見えたかもしれない。
だが米国の教養ある人からは勇気ある行動と湛えられた。
この様に『重要な事柄にこそ、勇気をだして水をかける』人は、『攻め』と『守り』をうまく使い分けている。
その真意は、理想をぶれずに体現する事だ。
彼らの理想は、より大勢の幸福の為には、どうすればいいかという事である。
水をさされて膨れる人は、内輪の趣味や小さな業務の成功しか望んでいないとみなされるのだ。
『水をかける人』とあからさまに排除してしまうようであれば、貴方の部署にとって、損失になることは、間違いないだろう。