職場やチームをまとめたいビジネスマンに捧げる、法家の名著・『韓非子』の名言3選
- 2017/04/02
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国の統治に必要なのは法だと説く『韓非子』
中国の歴史区分の中で、紀元前8世紀から紀元前3世紀頃を春秋戦国時代といいます。いくつもの国が戦争を続けて興亡を繰り返し、紀元前221年に秦の始皇帝が天下を統一して幕を閉じました。
情勢が目まぐるしく変わる時代だったため、国々の統治者はアドバイザーとなる知恵者を常に求めており、それに応じて多くの学者が現れました。その学者たちを諸子、学者たちが提案した学派を百家、両者をまとめて諸子百家といいます。
この諸子百家のうち、人間の本質を悪とする性悪説に基づいて法による統治を勧めたのが法家で、その代表格のひとりが韓非子です。韓非子が説く法は賞罰に厳しく、融通がきかない部分もありますが、家臣や民衆をコントロールするアイデアにあふれており、韓非子の著書『韓非子』は現代の経営者にも広く読まれています。
そんな『韓非子』の名言から、3つをご紹介しましょう。
演説の難しさとは、傍聴する者の心を知って、自分の説をそこにぴったり当てはまるように持っていくところにある
いい話をしたつもりなのに相手の反応がイマイチだった場合、原因は説明がわかりにくかったからでも、熱意が伝わらなかったからでもないことが多いのです。
ではなぜかというと、相手が興味をそそられなかったからです。どんなに素晴らしい内容でも、話されている側が真剣に耳を傾けなければ壁に話しているのと同じですよね。
自分の考えばかり一方的に押しつけていると、職場やチームはいつまでもまとまりません。
相手に「刺さる」内容かよく考えてから話すようにしましょう。
3人がいると言えば、実在しない虎もいることになる
事実無根の噂でも3人が事実だと言うと本当のことだと信じられてしまう危うさを、韓非子は虎を例に出して言いました。
多くの人が噂していると職場やチームでも信じる人が現れ、動揺が広がります。何人かが口裏を合わせて、嘘を事実にしようとしているのかもしれません。事実に反することが広まりそうなときは先手を打って対処しましょう。
そしてなにより自分が噂に振り回されないよう、この名言を胸に刻んでおいてください。
状況が異なったらそれに対する備えも変えなければならない
周囲の状況が刻々と変わるのは、春秋戦国時代も現代も同じです。だからこそ現代のビジネスマンも、トラブルはもちろん日常業務も含めたあらゆる事態への対策を常に変えていく必要があります。かつての最善が今も最善とは限らないのです。
韓非子は「時代が変わればすべてが変わってくる」とも言っています。いつまでも古いやり方に固執せず、若い世代のアイデアも取り入れて柔軟に変化することで、職場やチームは新陳代謝するのです。
このほかにも『韓非子』には上に立つ者の心掛けなどがたくさん説かれています。部下を持って職場やチームを率いるオヤジ世代にはとても参考になる書物です。
名言の引用元:韓非子