コカコーラは売れ続け、カールは撤退しなければいけなかったのか?

  • 2017/12/18
  • ビジネス
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  • 沖倉 毅
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17年の一大ニュースとして挙げたいのが、『おやつはカール』こと明治製菓のカールが全国展開をやめた事だ。
関西土産と化してしまったカールは、絶滅した森永サイコロキャラメルより、いい措置だといえば、そうなるだろう。

ここで冷静になって考えてみてごほしい。
俺たちの青春を支えたコカ・コーラとアサヒスーパードライが生き残っているのに、何故カールが消えたのか。
そこには、ブランド力と製品力のバランスがあるのだ。

 

売ろうとしているのは、製品かブランドか

カールが関西地区限定に生産を絞った理由を考える前に、考えたいのが、普段俺たちが売ろうとしているのは、ブランドか、製品かどちらかという事だ。

ブランドは、周囲の製品と自社製品を差別化する為に、ネーム、ロゴ、パッケージデザインを考え『記号をつける事』。
製品は、モノ、サービス、パッケージ、デザイン全てを含む。
つまりブランドは、外見やスタイル、製品は中身とパフォーマンスを意味するのだ。

売ろうとしているのは、製品かブランドか
なので製品が良かったと評価された場合には、モノが良かった場合には『製品が良かった』と捉え、『このブランドなので安心出来た』と言われた場合には『ブランド』を評価された事になる。

殆どの製品は、名前(スタイル)と中身(パフォーマンス)の組み合わせで勝負する。
無印良品だとしても『無印』がブランド名で、中身はそれぞれの商品ごとに違うので、組み合わせで勝負する。
この様にブランド名を全面に出した方が企業にとっても、買い手にとってもメリットがあるのは、ブランド名を出す事で、ある程度品質(パフォーマンス)を予測する事が出来るからだ。

特に、ヤフオクやメルカリなどで服を落札する場合、ブランド名を書いてあると、目安になりやすい。
ただのMサイズと書いてあるよりも、どこそこのメーカーのMサイズを普段履いてます(着ています)と明記している出品者から落札する方が確実なのは、その原理だ。

この様に市場に出回るものは、ブランドとパフォーマンスが一体となって売られている。
その方が人は、製品選択の労力を軽減する事が出来る上、買い物で得をすることが出来るからだ。

 

パフォーマンスとスタイルを兼ね備えたものが勝つ

ブランドは、自社と他社製品を差別化し、価格競争に巻き込まれず、顧客に商品を定価で購入して貰えるメリットがある。
’94年に発売されて以来ロングセラーとなっている、プレイステーションはまさしくそうだ。

パフォーマンスとスタイルを兼ね備えたものが勝つ
発売以来、細やかなモデルチェンジを行っているプレイステーションは、初代からの熱烈なファンも居る上、据え置き型から、携帯型のPSP(プレイステーション・ポータブル)、PSV(プレイステーション・ヴィータ)までモデルを派生させている。

これは長い間売れ続けている芸人や、有名人、歌手にも共通する所があり、彼、彼女らは、スタイル(ブランド)は、一貫しているが、パフォーマンス(製品)は、時代に合わせ、少しづつモデルチェンジしたり変化させたりしている。
それは髪型であったり、服装であったり、歌声であったり、様々だ。
彼らは時代のニーズを捉え自らの中身を充実させることで生き延びた人たちだ。

その反対に、日本ではブランド力を機能させず、あえて中身と価格だけで勝負する所もある。
これはマーケティングの世界でコモディティと呼ばれるもので、パソコンのGateway、洋服のしまむら、セブンカフェなどのコンビニコーヒーがこれらにあたる。

では、日本で、パフォーマンスとスタイルを両立させたロングセラーとは何だろうか。

 

コカコーラが売れ続けた理由

ロングセラーブランドの代名詞といえばコカコーラである。

コカコーラが売れ続けた理由
コカコーラは、ボトルのサイズ、形状、広告コミュニケーションは時代に合わせ作り変えてきた。
だが、赤と白のボトルやパッケージ、独特のロゴというブランドを強調するスタイルは変えていない。

長生きするブランドは、同時にロングセラー製品にもなる、その条件とは、品質がよく、競争がすくなく、なおかつ誰にでも入手できるという手軽さを満たしているという事だろう。

その点でいえば、ビールの一番手を行く、アサヒスーパードライも見逃せない。
ヤジアップ世代にとって、あのビールが出た当時は衝撃だった。今では当たり前の様に店に並んでいるが。

ロングセラーでありがならカールが何故撤退してしまったのか、コーラやスーパードライと比較して考えてみると、どうも2番目と3番の条件を満たせなくなったのが原因だろう。

スナック菓子業界は競争が激しく、毎年必ずいくつかび商品は商品棚から消えている。
その中で’68年から発売されていたカールがずっと売れていただけでも奇跡としたいいようがない。

だが、時代は変わり、スナック菓子を食べる時に手が汚れる、かさばるのを嫌う若者が増え、カールは敬遠される様になり、元がとれるという理由だけで、関西限定の製造になったというのだ。

今の世の中、満遍なく長く売れ続ける商品を作るという事は、宝くじで1億円をあてる以上にむずかしい。
だからこそ、チャレンジしてみる価値はあるのだろうと思う。

この記事の作者

沖倉 毅
沖倉 毅
ビジネスと国際関連をメインに執筆しています沖倉です。 転職経験と語学力を生かし、語学教師とフリーライターをしています。 趣味は定期的に記録会に出る水泳、3000本以上お蔵入り字幕なしも観た映画、ガラクタも集める時計、万年筆、車、ガーデニング、筋トレです。 どうすれば永遠の男前になれるかをテーマに、取材は匿名を条件に記事執筆に勤しみます。
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