部下の褒め方が分らない?上手な部下の「ほめ方」
- 2016/12/13
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多くの上司は「褒める」を「おだてる」と誤解している
新人の教育や部下の育成に悩む上司は沢山います。「最近の若いやつは何を考えているのか分からない」「ゆとり世代は扱いにくい」など、年々「部下の扱い方」についての話題が増えてきているように思えます。一昔前は「鬼上司」という言葉があったように、上司は厳しいのが当然で、部下は上司の言うことを聞くのが当然という風潮でしたが、最近では、少しでも厳しいことを言うとすぐに辞めてしまったり、出社しなくなったりと、若者のメンタル的な弱さが目立つ傾向にあります。
次第に、「今どきの新人はおだてるのがベスト」「今時の若いやつは指導なんかしない方がいい」などと、部下の本質を理解する前に、「おだてる」「放置する」といった間違った選択をし、部下との間にますます壁を作ってしまっています。「部下を褒めて伸ばしましょう」と聞いて、「ほめる」を「おだてる」という言葉に変換する上司は、「本当は褒めるべき点などどこにもないのに、上司である自分が不満を押し殺して不本意におだてる」という本音が見え隠れします。気を付けたいのは、「ほめる」は決して「おだてる」ではないということです。
部下は「褒めると調子に乗る」は本当か
部下を褒めることに抵抗を示す上司の多くは「ほめると調子に乗る」ということを懸念しています。果たして本当にそうでしょうか。実は、人間は褒められることで能力を発揮することは既に実証されています。世界的に活躍するオリンピックのコーチなどが学んでいる「コーチング」では、褒めることを最も重要視しています。実際に、とある水泳の金メダリストのコーチは、「できる」「可能だ」などのポジティヴな言葉をかけ、選手がネガティブな発言をしたときには逆にそれを修正するほど、「ポジティヴな言葉」を重視していたそうです。
またある実験の結果によると、「部下は1分以内に褒められたら、次もその行動をする」というものがあります。要するに、「褒められたら、また褒められたいという無意識が働き、同じことを繰り返す」ということです。例えば、部下の営業成績を褒めて次も良い成績を収めた場合、「調子に乗っている」と言えるでしょうか。
悪い点に目をつぶるのではなく「次もそうしてほしい」ことを褒める
部下をほめることの効果は、前年ながら、まだ日本ではあまり浸透していません。「愚妻」「愚息」という言葉がある様に、身内を褒めずに貶すことを一つの美徳としている日本人ならではの文化が影響しているのでしょう。しかし、仕事においては、上司は部下の能力を伸ばすことが求められています。
成果に繋げる褒め方のポイントは、遅刻をよくする部下には、「おお、今日は普通通りに来れたな!凄いじゃないか!」と、「次も同じ様にしてほしいこと」を褒めることです。「当たり前のことで褒めていたらキリがない」と思うかもしれませんが、部下にとっては「できていない」ことは「当たり前ではない」ということを覚えておきましょう。