しがらみなく生きる!! 「家は借りるもの」という金言
- 2018/08/28
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93回、引っ越しを繰り返した有名画家
生涯に3万点を超えるという大量な作品を残し、日本国内ばかりか海外でもジャポニズム・ムーヴメントを引き起こした画家といえば葛飾北斎。こんな、元祖「Cool Japan」と呼ばれるにふさわしい存在の北斎は90年の生涯に、なんと93回も転居した「引っ越し魔」としても知られています。
なぜ、彼はそこまで転居を繰り返したかというと、部屋が汚れたり、ゴミがたまるたびに引っ越しをしていたから。要は掃除をするのが面倒、そんな暇があったら絵筆を握る、ということらしい。じゃなければ、3万以上もの作品を残せるはずがないのです。
しかし93回という北斎は別格としても、頻繁に転居するというのは大勢が借家住まいをしていた当時の江戸では珍しくはないこと。
何しろ数年おきに大火が起こってしまうというお土地柄ですから、どこかに一戸建てを購入して定住するなんてバカげたこと。それぐらいなら住みよい場所を求めて引っ越しするというライフスタイルは、ごく一般的なものだったのです。
「空気が腐る」という、ネイティブアメリカンの考え方
引っ越しどころか、定住という概念すら非常に薄い人たちといえば遊牧民。
昔と変わらず、移住生活を送っているモンゴル人の一部は、ゲルと呼ばれる移動式のテントに暮らし、牛や山羊などを引き連れて季節ごとに移動するもの。
なぜ、彼らは移動するのか?
一箇所に定住していると家畜たちが牧草を根絶やしにしてしまうから、というのが本当の理由なのですが、同じ質問をアメリカ先住民にしたところ「空気が腐るから」という答えが返ってきたとか。
非常に感覚的な表現なので、別の言葉に置きかえるのが難しいのですが、彼らが言わんとしているところは、何となく理解できるのです。
何かに縛られる生き方ってどうなんだ?
「空気が腐る」この言葉を私たちの生活に置き換えるなら、一箇所にとどまることで発生する「しがらみ」のようなものと考えることができます。
そんな、しがらみの中で最大のものといえば、定住することで発生する巨額のローン。
一箇所で生きていくことを決意した時点で、住宅を購入し数10年に渡ってローンを返済し続けなければならない。ローンがあるから移住できないだけでなく、仕事をやめることもできないし、単身赴任などという悲劇も起こる……しがらみに縛られて、ライフスタイルを変更することができなくなってしまうのです。
ライフスタイルと共に、住まいも変化するもの
しかし長い人生ですから、ライフスタイルが不変ということはありません。
出産で家族が増える、数10年後には子どもたちが独立して家族が減る、転職で職場までの距離が変化する、収入が増減する、単に住んでいるところに飽きてしまうというケースもあるでしょう。
ライフスタイルが変化したならば、住むところも変化するというのが自然なこと。住宅を購入することで一箇所に縛られてしまうということは、非常に不自然かつ不自由なことだと思うのです。
結婚したから家を購入する。
全くもって素晴らしいことだとは思う一方で、しがらみを作ってしまうメリットはなにもありません。
家族が増えたなら、収入が増えたなら、広い借家に引っ越せばいい。
趣味のものがあふれてきて手狭になったなら、セカンドハウスを借りればいい。
これで十分ではないでしょうか?
将来に渡って収入が増え続けることを見込んで家を建てたはいいけれど、意に反して失業。家を手放なしてしまい、手元に残ったのは長期のローン。こんな話は、度々耳にするものです。
持ち家というリスクを抱え込むよりは、借家住まいを続けてしがらみがない毎日を送るというのはどうでしょうか。土地が値上がりし続けるなんてことも、人口減少がトレンドとなっている日本では、もう起こりそうもありません。
「本は買うもの、家は借りるもの」
これは、最近耳にした金言なのですが、至極真っ当な考え方だと思うのです。