個人タクシーは高齢化時代の救世主になるか
- 2019/01/20
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自分ひとりで開業できる個人タクシー
電車やバスといった駅・停留所で乗り降りしなければならない公共交通機関と違い、送迎も可能なタクシーは高齢者の移動手段として重宝がられています。
最近では、医療機関から自宅や最寄り駅までの利用は当たり前になっており、スーパーマーケットの買い物にもタクシーを利用する光景が見られます。しかし、このまま高齢化社会が進み、高齢者の運転免許返納が進めば、タクシー不足時代がやってくるかもしれません。
また、会社組織のタクシーでは、簡単に車両を増やしたり人員を雇い入れたりというわけにもいかないでしょう。
そこで注目できそうなのが個人タクシーです。個人タクシーなら、組織としての不自由さがありません。自営業者である個人タクシーの運転手には定年がありませんでしたが、現在は新規の場合75歳が定年となっています。健康の問題がなければ、タクシー会社で働くよりも10年くらい長く元気に働くことも可能です。
タクシー会社でも60歳や65歳の定年後に引き続き働けるケースはありますが、非正規雇用となったり、待遇が下がったりすることもあります。それを考えれば、個人タクシーの方が有利ともいえます。とはいえ、個人タクシーは思いつきで開業できるものでもないため、興味がある場合はしっかりと事前準備を行うことが必要です。
個人タクシーの開業に必要な主な事項は以下のとおりです。
・年齢が65歳未満
・普通または大型の第2種運転免許を受けている
・個人タクシーを営業する区域においてタクシーやハイヤーの運転手として10年以上雇用されている
・無事故無違反の期間が10年以上続いている
これが一般的な基準として知られていますが、実際には35歳未満の申請者についての要件です。年齢が上がると、要件に違いが生じます。35歳以上40歳未満と、40歳以上65歳未満でも内容が異なります。
40歳以上の場合は、過去25年のうち10年以上の期間で運転を職業としていたことが求められます。タクシーまたはハイヤーに限られない点に注目です。ただし、一般旅客自動車運送事業用ではない自動車の運転期間は半分で計算されます。また、営業区域におけるタクシーまたはハイヤーの運転手として、過去3年のうち2年働いていることも要件です。
個人タクシーは儲かるのか?
さて、肝心の個人タクシーの営業が成り立つか、儲かるのかという問題ですが、各ドライバーは事業主であり、どのような事業を行うかにもよります。
個人タクシーを開業するにあたり必要なものとして、当たり前ですが「タクシー車両」があります。ある意味、唯一にして最大の設備こそが営業用の車両なのです。
個人タクシーに使用される車種としては、オーソドックスにクラウンが目立ちます。クラウンといえば高級車に分類される車であり、タクシーとしての装備も考えれば結構な初期投資を要します。
しかし、現在ではタクシー車両の規制がなくなっているため、安い車種を個人タクシーに導入することも問題ありません。乗客によっては、高級車を指向する方もいるでしょうが、乗れれば車種にはこだわらないというタクシーユーザーも少なくはないです。短距離の移動であれば、どんな車種でも問題なく乗れるでしょう。
とはいえ、長年タクシー車両として活躍しているクラウンの安定性は捨てがたいものがあります。長い目で見れば、安い車種よりもクラウンの方が総合的にお得かもしれません。
個人タクシーの稼ぎについては、タクシー会社に勤務しているときと同じだけ売上げることができれば、利益はかなり増えると考えられます。なぜなら、一般的なタクシー会社では運賃水揚げの60%程度が運転手の歩合となるためです。個人タクシーでは、差額の40%がすべて自分に入ってきます。
もちろん、そこから経費を差し引いて儲かったといえるためには、ベースとなる売上が一定以上あることが前提です。
ひとつ重要なことは、タクシー会社のタクシーが暇をもてあましているような区域では、個人タクシーで儲けることが難しいということです。個人タクシーの開業に必要な要件に、営業区域での経験年数があることも踏まえて、区域選びから数年単位で準備をする必要があるでしょう。そこまで考えた上で、高齢化社会の救世主たる個人タクシーを目指すのもアリといえます。