1万円札が廃止になるってホント? 世界で一番高いお札は〇〇だった!
- 2018/02/02
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一万円札は廃止すべき!! ってなぜなの?
「すみません、1万円札しかないんですけれど……」「……ちっ」
コンビニの店頭とか、タクシーの車内でありがちなやり取りなのですが、何でお金を払っている側が申し訳ない気分になる必要があるのでしょうか?
でも、そう思いつつも理由は受け取る側の立場になればすぐにわかるはず。せっかく準備したつり銭を大量に払わなければならなくなるし、受け渡しで間違いが起こることもある。そんなわけで1万円札は、確かに使い勝手が悪いものなのです。
こんな風に日本の1万円札は嫌われているのですが、それ以上に嫌われているのがアメリカの100ドル札。使い勝手が悪いことに加えて米ドルといえば世界一偽造されている通貨。使い勝手が悪い上に、ニセ札という可能性もありますから、アメリカで100ドル札は受け取り拒否されかねないレベルで嫌われているというのです。
高額紙幣が廃止される、その理由
1万円札や100米ドル札の様な高額紙幣を嫌っているのは、お店など受け取る側だけではありません。政府も嫌っているのが高額紙幣、その証拠にインドでは昨年の11月に1,000ルピー(約1,700円)と500ルピー(約800円)という2種類の高額紙幣(この場合、インドの物価を考慮して)が廃止されて大混乱を招きました。
なぜインド政府は高額紙幣を廃止したのか?
それは脱税の可能性を封じることができるから。例えば取引全てが現金でおこなわれているなら、まあ脱税し放題。企業間の取引ならば現金取引など、利便性・安全性において不合理なものとなりがちですが高額紙幣を用いれば、そんな手間もずいぶん軽減されるのです。
加えて違法取引においても高額紙幣は便利です。アタッシェケースに詰め込んだ現金で、いけないお薬や武器などの取引をするのはクライムムービーの定番シーンですが、高額紙幣ならばかさ張らなくて便利。海外に持ち出したりするのもカンタンですから、マネーロンダリングなどにも使い勝手がいいのです。
そんな高額紙幣の代わりに、インド政府が普及させたいのが電子マネー。
これが普及すれば、銀行を通さない現金のやり取りも政府は把握しやすいもの。お店などの受け取る側の利便性も高まります。
世界で一番高いお札とは?
そんなわけで、高額紙幣は廃止されるというのが世界の潮流。
例えば、現在最も高額な紙幣は「1万シンガポールドル札」、日本円に換算すると約80万円!! このお札、シンガポール政府が発行を中止したのは2014年。これを1枚握りしめて店頭に出向けば高級腕時計の1本も買えてしまうのは、やっぱりおかしな事態かもしれません。
次に高額な紙幣は「1,000スイスフラン札」、日本円に換算すると約11万4,000円。そして「500ユーロ札(=約6万7,000円)」、「1,000カナダドル札(=8万9,000円)」、「500ユーロ札(=6万7,000円)」……と世界の高額紙幣は続くのですが、流通しているとはいえ、これらのほとんどはやはりマイナー紙幣、使い勝手が悪いし犯罪のにおいがするということ。
中でも500ユーロ紙幣は、2018年末までに発行が停止される予定となっています。
その一方で健在なのが、1,000スイスフラン札。
日常生活でも結構見かける上に、スイス政府も「文化の一部」として発行を停止する予定は当分ないとか……ユーロの動きなど我関せず!! 自主独立性の高いスイスらしいエピソードです。
なぜ、日本人は現金が好きなのか
一方で日本の1万円札の廃止なのですが……これらを提言しているのはハーバード大教授などもっぱら海外勢。国内では、そんな議論は余りおこなわれていないという話。
そのウラには現金で買い物をするという習慣が根強いことや、偽造が非常に難しいという日本の紙幣の安全性、そして自動販売機でも問題なく使えるなど利便性の高さがあると思われます。
……なんて考えると、1,000スイスフラン札=「文化の一部」と主張しているスイスの言い分も理解できるもの。
日本人の一万円札好きは国に対する信頼性の高さや、インフラの整備の進み具合のバロメーターをあらわしているともいえるはずなのです。
だって、政府の無策によってハイパーインフレが起こったジンバブエでは「100兆ジンバブエドル」なんてありましたが、誰も欲しがりませんでしたから。
まあアマゾンでは1万3,000円ほどで販売されていたりしますけれど。