国ごとにある国旗にまつわる面白いトリビア7つを紹介

あまりにもシンプルな国旗になってしまった理由とは


先日ネットニュースを見ていると、世界の国旗ランキングなるものが取り上げられており、我らが「日の丸」が上位にランクされており、なんとなく嬉しくなったものでした。ランキング上位の理由は白地に赤という、この上もないシンプルさだったりするのですが……世界には日の丸どころではない、もっとシンプルな国旗がある(あった)のをご存知でしょうか?

それは、緑一色の「リビア」、上の図の左から9列目・上から8行目の国旗です。
なぜ緑かというと、イスラム教では預言者ムハンマドのターバンの色と考え、最も神聖な色とするから。これは、リビア以外にもバングラデシュやパキスタン、オマーン、サウジアラビアなど、イスラム教徒が多い国の旗は緑基調が多い理由です。

それでもリビアの緑一色というのは、シンプルすぎて異彩を放つもの。
なぜここまで、シンプルになったのかというと、当時の最高指導者・カダフィ大佐の命令で側近が一晩で考えざるを得なかったからとか。
「そんなの手抜きじゃねーか」
新しい国旗を見たカダフィ大佐は激怒したか?というと、思いがけずご満悦だったとか。ちなみにカダフィ大佐亡き後、別のデザインにリビアの国旗は変更されています。

 

世界には多い、複雑過ぎる国旗


シンプルな国旗がある一方で、非常に複雑な国旗もあるもので、中でも世界一といわれているのが10列・14行目の「トルクメニスタン」のもの。
イスラム教国家らしく緑基調、月があしらわれているまでは理解できますが、よくわからないのが左側の帯。この帯はトルクメニスタンの伝統産業であるジュウタンを模したものだとか。その中の5つの模様は、国を構成する主要な部族をそれぞれ表しているといいます。

また、同じく複雑な国旗といえば9列・12行の「サウジアラビア」。
剣とアラビア文字で構成されたデザインは広く知られている一方で、何と書かれているかまで理解している日本人は少ないはず。それは「アラーの他に神はなし、ムハンマドはアッラーフの使徒である(لا إله إلا الله محمد رسول الله)」だとか。剣は聖地メッカの守護を表しています。

そして、色数が多いという点で注目すべきは「エクアドル」国旗。
12列・4行にあり、一見すると黄・青・赤の3色しか使われていなさそうなのですが、問題はコンドルと共に描かれた中央の国章。エクアドル最高峰・チンポラソ山や商船、太陽、青空、黄道などからなっており、使われている色は9色。
一説によると、世界一色数が多い国旗だそうです。

 

一見、ただの長方形の国旗ですが

またデザインではなく、国旗の形そのものが複雑といえば7列・10行で存在感を放つ「ネパール」。三角形を2つあわせた形をしていますが、これはネパールの王家と宰相家という別の旗を1つにしたから。その形は国民が信仰するヒンズー教と仏教、そしてヒマラヤの山々を現しているといいます。

そして13列・11行にあるのは「カタール」の国旗なのですが、実物はこれとデザインが異なり縦横比は11:28。世界で一番、横長の国旗となっています。
そんなカタールとよく似たデザインの国旗といえば、1列・2行にある「バーレーン」なのですが、こちらの縦横比はスタンダードな3:5ですから、すぐに見分けが付きますし、よく見ると赤色のトーンも違うのです。

 

パラオ国旗が模しているのは日の丸?


さて、日の丸にデザインされているのは文字通り太陽であるのはご存知の通りですが、ほかにも太陽を国旗に取り入れている国はアルゼンチンや台湾などがあり、合計17の国や地域にのぼります。

それでは月を取り入れている国は?というと合計15カ国。イスラム教徒が国民の多数を占める国に多いのですが、勘違いしやすいのが3行・11列「パラオ共和国」。
親日国として知られるパラオは、日の丸を模して自国旗としたという説がありますから、青地に黄色の太陽がデザインされていると思ったら大間違い。あちらがデザインしているのは太平洋と月。日の丸を模したという説は、俗説に過ぎません。

でも、パラオ=親日国というのは本当の話と、語るのは友人。
「日本人がたずねると、もれなく熱い歓待を受ける」と話していたのですが……それってパラオが観光立国で、世界中の人たちを同じように歓待しているだけじゃないの? と思ったのは、ここだけの話にしておきましょう。

この記事の作者

アントニオ犬助