デジタルナンバープレートなるものがアメリカでは認可されているらしい

デジタルナンバープレートとは?

自動車のナンバープレートに、デジタルナンバープレートというものが登場しています。従来のデジタル化というイメージからは、ドットや7セグメントで数字が表示されるナンバープレートか?と思ってしまいます。

いや、ドットや7セグって古すぎるとの突っ込みが入りますね。たしかに、現在のデジタルはもっと進化しています。そして、アメリカで登場したデジタルナンバープレートは、タブレット画面のようなディスプレイに、ナンバープレートとしての情報が表示されるというものです。


アナログのナンバープレートなら、1枚1枚に印字なり刻印なりで記された情報を書き換えることはできません。これは日本でも同じこと。ただ、日本の場合は登録を変更する場合に、新しいナンバープレートに付け替える必要が生じる程度だといえます。

しかし、アメリカでは、毎年の行事として登録の更新作業が発生するそうです。自動車のオーナーは、年に一回、更新手続を行った後に送付されるシールを、前年のシールと貼りかえる作業をしなければなりません。年に一度くらいなら、たいした労力でもないだろうとも思えますが、面倒といえば面倒なのもたしかでしょう。

貼りかえるのが面倒で上に貼り付けるだけのケースも少なくないそうで、面倒だと感じるアメリカのオヤジも多いとのことです。

それに比べて、デジタルナンバープレートなら、ディスプレイにデータを映し出しているだけであり、元のデータを変更して表示すれば事足ります。実際、更新手続さえやっておけば、その後、オーナーはなにもする必要がなく、ちゃんと更新後のデータが表示されます。

とはいえ、たったそれだけのことでデジタルナンバープレートを導入する必要があるのでしょうか。

 

ただのナンバーではないデジタルナンバープレート

ところで、このデジタルナンバープレートは無料でしょうか?そうであれば、オーナーとしては導入に異論はないかもしれません。しかし、残念ながらタダでデジタル化はできないのです。7万円程度の初期費用にプラスして、700~800円程度のランニングコストまでかかるとか。

コスト面については、広告を表示させることで得られる広告収入でペイできるのでは?との見方もあるようですが、どこまで実用的な話になるのかは疑問です。

こうしたデメリットを補って余りあるメリットがあるのかという指摘に対して、自動車を盗まれたときに「盗難車」表示をすることで事件解決に役立つとか、位置情報を利用した捜索も可能などといった点が強調されています。

なるほど、電子的なディスプレイ装置だけに、表示できるデータはさまざまあります。使い方次第では、普及する可能性も捨て切れません。

ただ、こうしたシステムに付いてまわるのが、ハッキングの問題です。表示させるデータを正しくないものに書き換えられたり、位置情報を悪用されたりといった懸念があります。


さらに、従来型のナンバープレートなら、ぶつけようが曲げようが、表示されている文字が消滅することはありませんし、読めないこともないでしょう。しかし、デジタルディスプレイは壊れたらおしまいという弱点があります。

アメリカでの実績が良好となれば、日本にも入ってくる可能性がないとはいえないものの、日本のナンバープレートとアメリカのナンバープレートでは、前述の毎年更新も含めて大きく異なるものです。

つまり、表示内容を適宜変更する必要性が生じる程度に、ナンバープレートの存在意義が変わらない限りは、日本でデジタルナンバープレートが使われることはなさそうだといえます。そして、現状では日本のナンバープレートにそこまでの機能は求められていないといえるでしょう。

ともあれ、アメリカでの動向には注目しておきましょう。

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