けっこういいもんだよマニュアル車 オジサン向きの魅力3つ

メイン車がオートマであっても

遠乗りできるメイン車はオートマのツーリングワゴンです。
クルージングと呼ぶにふさわしい乗り心地が大好きです。
されど、若い頃街中を軽の営業車でかっ歩したり、測定器具をどっさり積み込んだワゴンで現場に入ったバイトの経験などもあって、マニュアル車には拭いがたい思いもあります。
学生時代、ラリーをしていた友人から、かなり細かいマニュアルテクを教わりました。人より数段好きになったと自負しております。
そんな昔取った杵柄がさびないうちに、マニュアル車の捨てがたいコアな魅力についてお話ししておきます。

 

コックピットと呼びたい操縦感

マニュアル車の嫌われっぷりは、このギアチェンジをどう感じるかにあるでしょう。
かくいう私も、教習所では散々苦労しました。
思わず家族に「免許いらねえ」とこぼしたくらいですから。
だから卒検でいちおう形にはなったといえども、初心者時代はそれこそ「下の中」くらいでしかありませんでした。
それが夏休みに田舎の同級生と遊んでから、私のクルマ感は一変しました。
細道でもWRCラリーさながらの「ギアさばき」を見せつけられ、思わず「教えろ!」と懇願、その夜彼のスープラを一晩中運転させてもらいました。
よって私の運転基礎技術は教習所ではなく、すべて彼のスープラシート仕込みであります。

 

エンジンブレーキが自由自在

昔、会社でちょっと大きめの古ワゴンを運転したときのこと。
上司から「おい、エンブレ効かしていかないと、今日の山はつらいぞ」と言われ、「ハイ」と返事はしたものの、案の定帰りの長い下り坂でブレーキがたるくなってひと休みの結果に。
以来毎回山道の運転で「修行を積み」、エンブレの大切さと使い勝手を学ぶことが出来ました。

もちろんワゴンは古かったし、今のオートマ車がエンブレ効かなくてもスイスイ下れるのは知ってます。
けれど、そのシステムを理解した上でオートマを扱うと、乗り心地や安全性がより上がるのは間違いありません。
エンブレを使うマニュアル車の下りは、G(重力)のかかり具合が3割は軽くなります。助手席の彼女好みなんですな。

 

システム的に安全

クラッチを切る、半クラで発進する、これが面倒この上ないくせに超安心なのですな。
人間、危険を察知し、慌てたときには何をしでかすかわかりません。それこそ両足で全ペダルを「ベタ踏み」する行為だってしかねないのです。
それでもクラッチさえ踏めば、エンジンにはつながりません。加速しないんです。被害が拡大しません。
発進時にアクセルだけ踏めば、例の「カクカク、スコン!」エンストして準備不足を知らせてくれます。
人間に優しいって、こういうことじゃないですかね。

いかがでしたか。
免許あるのに使わないのも、もったいない話。
体が動くうちは楽しく乗れますよ、マニュアル車。

この記事の作者

のりき 夢丸