新人に仕事を教える際に気を付けたい3つのポイント

春はどの職場も引継ぎで大混乱


4月といえば人事異動や配置転換のシーズンです。また、新人が配属される季節でもあります。キャリアを重ねたビジネスパーソンにとって、新人へ「仕事を教える」という業務は避けられないものですが、日本の職場では「仕事を教えるのが下手な上司」の存在が慢性的な問題となっています。いまだに「仕事は盗んで覚えろ」という文化が根付いてしまっている企業では、教えるのが下手な上司や先輩よりも、「盗んで覚えられない新人が無能」というレッテルを貼られるケースが後を絶ちません。この場合、教える側は非難されませんが、結果的には新人が育たなくて困るのは上司自身です。「あいつは使えない」「新人は無能ばかりだ」といった恥ずかしいセリフを吐く「本当に無能な上司」となる前に、自分なりの「教えるスキル」を確立させておきたいものです。ここでは、新人に仕事を教える際に気を付けておきたいいくつかのポイントを紹介します。

 

教えるのではなく理解させる


部下や後輩の教育に関して、本質的に求められるのは「教えること」ではなく「理解させること」です。この2つは同じ様に聞こえて、大きく異なります。「教えるのが下手な上司」の多くは、自分なりに「説明した」だけでクリアしたと勘違いします。新人が理解したかどうかを確かめることもなく「とにかく俺は教えた」と安心しきってしまい、後々、「教えたはずなのにミスをした部下」を責めるという悪循環が生まれます。

本当に「理解させる」ためには、思いつくままに「説明する」のではなく、「こんな時はどうしたらよいか」と、まずは相手に考えさせることが重要です。この手順は非常に面倒だと感じる人も多く、一方的な説明をして終わらせてしまいがちですが、一つ一つの手順を「相手に考えさせながら」説明を進めていくことで、本人も主体性をもって覚えられるため、面倒がらずに、まずは「考えさせる」ということを意識

 

基本はマニュアル作成


あらゆる業務のなかでも、機器やシステムの操作などは、お互いに時間を割いて説明するよりも「書面化されたマニュアル」を用いた方が有効です。教育体制がしっかりしている職場では、こうしたマニュアルが完備されているものですが、もし無ければ自分で作成してもよいでしょう。その場では「たった一人に教えるためにマニュアルなんかつくってられないよ」と思うかもしれませんが、同じことを2度3度教えるよりも、「分からなくなったらマニュアルを読ませる」方が結果的に無駄な時間を割かずに済むものです。ただし、マニュアル作成そのものに時間をかけ過ぎないようにだけ注意しましょう。

 

イレギュラー発生時の対応を明確に


一通りの業務を理解させても、それでもイレギュラーは発生するものです。マニュアルに書いていない事態が発生した場合の対処方法として「誰の判断を仰げばよいのか」を明確にしておくことで新人も安心して業務を進められます。そのために、担当者へ紹介して「彼から何か質問があるかもしれないので、その際は宜しく」などと、事前に顔合わせをしておくとスムーズです。

 

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