脳の健康 また見つかった「筋トレすべき理由」

筋トレはハードに有酸素運動はそこそこに

これまで筆者は筋トレがもたらす肉体への様々な良い影響についてご紹介してきましたが、最新の科学的な研究によると、またしても筋トレが我々の生活において大きなプラスの効果をもたらしてくれることがわかったのです。

また、残念ながら有酸素運動が引き起こす、悪い可能性についても興味深い研究結果が発表となりました。

今回は改めて筋トレをすべき理由について解説するとともに、有酸素運動のやり過ぎによる危険性について警鐘を鳴らしたいと思います。

やるならやっぱり筋トレ。体もカッコ良くなり、長生きもできるのです。

脳まで筋肉?いえいえ脳の健康こそ筋トレなんです

「脳筋」なんて言葉がありますよね。筋トレやってる人は脳まで筋肉で出来ている、なんて馬鹿にした言い草ですが、実は筋トレは脳に良い影響を与えるのです。

最新のスポーツ科学に関する情報誌「Journal of Science and Medicine in Sport」によると、高重量を使用する筋力トレーニングには脳の神経伝達物質を活性化させる効果があるとのことです。これはニューロンやシナプスといった脳内の重要なタンパク質に対して筋トレが良い影響を及ぼすという意味であり、記憶力の向上やひいては認知症予防にも繋がることを示しています。

若い人がボディメイクのために筋トレを行うのは当然良い事なのですが、それだけでなく高齢者が筋トレを行うと、肉体的な若々しさを保つことができるとともに、脳の年齢まで若返るというわけです。これは脳筋どころか健脳と言える効果ですね。改めて筋トレの素晴らしさが証明されたわけです。

有酸素運動の害も新たに見つかる…

一方、フルマラソンのような長時間・長距離に渡る有酸素運動は短期的に腎臓にダメージを与える可能性が高いことが報告されています。

これはイェール大学で行われた研究ですが、マラソン大会出場前後の腎臓のコンディションについて、数十人のランナーを対象に比較調査した結果、ほとんどのランナーにマラソン終了後、腎臓の軽度の損傷が発生していたのです。

原因としてはマラソン中に起こる体温上昇、腎臓への血液流入量の低下、脱水症状などが考えられるとのことです。

この異常はマラソン大会の数日後にはほとんど自然回復していたとのことですが、日頃からマラソンの練習を行っているランナー達は、慢性的に腎臓に負担を掛けている恐れがあることが推測されます。

筋トレ好きの人はタンパク質摂取量が多いため、それが腎臓に悪影響を与えているのでは、と危惧されることが多いのですが、実は有酸素運動の方が腎臓には負担が大きいのかもしれないわけです。

もちろん軽度な有酸素運動であれば腎臓にダメージを与える可能性はほとんどありません。やはり、ハードな筋トレと軽い有酸素運動の組み合わせが健康にもボディメイクにも、両方にとってベストな組み合わせと言えるのではないでしょうか。

この記事の作者

加藤薩樹