筋トレ前の糖質摂取!アリかナシかはっきりさせます!

筋トレ前の糖質ってアリなの?ナシなの?


糖質は体を動かすための直接的なエネルギー源になります。これは多くの人がご存知ですよね。我々オヤジトレーニーからしても、厳しい糖質制限ダイエットを実施中の人以外であれば毎日200g~300g程度の糖質を普通に摂取しながらトレーニングに励んでいると思います。

この糖質の摂取については「筋トレ直前に摂るべきか否か」という点について長い間論争が続いてきました。

糖質を摂取してもそれがエネルギーである筋グリコーゲン化するまでには1時間以上掛かるのだから、直前に摂っても意味がない。という人もいますし、逆にブドウ糖やマルトデキストリンをトレーニング中に飲むのは当たり前の話しなんだから筋トレ実施の直前に飲んだって効果があるはずだ、という意見も根強いのです。

確かにどちらにも根拠がありますし正しそうに感じますね。

今回は、筋トレ前の糖質摂取はどうあるべきなのか、という点について解説していきます。単純なようで奥の深い、筋トレ前のコンディションの作り方についてちょっとだけ理解が深まると思いますよ。

 

インスリンショックの可能性


そもそも筋トレ前に糖質を摂取すると「インスリンショック」が起こるからやめた方がいい、というのが反対派の根強い根拠でした。

これは今でも支持する人が多いのですが、急激に血糖値が上がるとそれを抑えるためにドバッとインスリンが分泌されます。すると反対に糖質摂取前よりも血糖値が下がってしまい、集中力が低下したり筋肉の活動レベルが下がるために筋トレには逆効果である、という理論です。

ところが最近の研究では、筋トレ前の糖質摂取が原因となってインスリンショックが起こるケースは実際にはほとんどなく、特に日本人の場合は欧米人に比べてインスリンの力が弱いためにほとんど筋トレに悪影響は無いということがわかったのです。

つまり、筋トレ直前に糖質を摂るのは構わないが、それが固形物であれば糖質、脂質、タンパク質に関わらず、消化吸収のために胃腸に体内リソースが費やされてしまうのが問題なのである、という結論になるわけです。

 

GI値が低い物を1時間前にとるのがベスト


というわけで、筋トレ直前の栄養摂取については糖質云々ではなく消化吸収の必要性の有無の方が重要なポイントだったわけですね。

そして、冒頭でも述べた通り、筋肉の直接的なエネルギー源となる筋グリコーゲンは、糖質を摂ってから1時間~2時間以上経過しなければ役に立ちません。そのため筆者は筋トレを行う数時間前にGI値の低い糖質を摂ることを推奨します。これは果物やオートミール等ですね。低GI食品は血糖値も長時間安定させますし、筋トレ用のコンディションを作るためにはとても有効なのです。

 

トレーニング中の糖質摂取の方法


ちなみにトレーニング開始直後から消化吸収の速い糖質を少しずつ摂取するのも血糖値維持のために効果的です。これにはブドウ糖やマルトデキストリン、クラスターデキストリン等をBCAAと一緒に水に溶かし、ちびちびと飲むのが一般的です。いわゆるイントラワークアウトドリンクと呼ばれるものです。

血糖値を維持し、筋肉の分解を防ぐとともに集中力を高めてくれます。多量に摂取する必要はありませんが、だいたい1時間のトレーニングで20g~30gを摂取するのが良いでしょう。

この記事の作者

加藤薩樹