敢えて動作範囲を制限する!パーシャルレップで筋トレ効果をゲット

フルレンジだけが全てじゃない!


筋トレの基本は誰がなんと言おうとフルレンジです。つまり、関節の可動域を最大限近くにまで稼働し、なるべく大きな運動量を確保するトレーニング方法ですね。筋肉を伸展させた状態からしっかり収縮するまできっちりと一定のリズムで動作させる事はとても重要なのです。

一方、「パーシャルレップ法」というトレーニングテクニックがあるのをご存知でしょうか。パーシャルレップではフルレンジの動作の一部だけを切り取り、動作範囲を狭く限定した上で、フルレンジでは扱えないような重い重量を使ってトレーニングを行います。このパーシャルレップ法を上手く筋トレのルーティーンに組み込むことで、停滞期の打破や成長スピードのアップに活用することができるのです。

 

パーシャルレップの有用性


例えばベンチプレス。通常であればフルレンジで100kgを5発挙げるのが精一杯というトレーニーがいたとしましょう。ここで、セーフティーバーの位置を二段階ほど高くし、通常の半分程の位置までしかバーが下がらないよう調整した上で130kgのバーベルをラックアップしてみましょう。

相当重く感じるはずですが、20センチくらいの上下の動きなら可能であるはずです。これによって今まで刺激されなかった神経が使われ高重量に対する耐性が養われるのです。その後、フルレンジで100kgのバーベルを扱うととても軽く感じることでしょう。

 

パーシャルレップはビッグ3で活きる!


パーシャルレップ法は高重量を扱うビッグ3で効率よく活かすことができます。その具体歴をご紹介しましょう。

パーシャルレップ法は通常のフルレンジトレーニングの直前に行い、ニ種目セットでメニューを構成していきます。

●大胸筋のトレーニング
①クォーターベンチプレス(3回4セット)
通常ベンチプレスの2割~3割重いウェイトで4分の1の可動範囲でベンチプレスを行います。この4分の1の範囲、というのがパーシャルレップ法の基本となります。

②ベンチプレス
続いて通常ベンチプレスを行います。5×5法でも、10回3セットでも、普段通りに実施しましょう。

●脚のトレーニング
①クォータースクワット(3回4セット)
いつもより20%程重いウェイトでスクワットを行います。膝を軽く曲げたところでセーフティーバーに触れるよう調整しますが、セーフティーバーにバーベルが完全に乗り切ってしまわないよう注意しましょう。

②フルスクワット
普段通りの重量で可能な限り多い回数を目指します。普段より1回でも多く実施できるよう頑張りましょう。

他にもデッドリフトをパーシャルレップで行う(トップサイドデッドリフト)のもメジャーな方法です。特にデッドリフトの場合は腰へのダメージも大きくなるので、むしろパーシャルでしか行わないというビルダーもいる程です。

扱える重量の伸びが止まってしまった時や、数ヶ月から半年に一度は定期的にパーシャルレップ法を取り入れてみるのも良いでしょう。

この記事の作者

加藤薩樹