松坂大輔の客寄せパンダぶりはそんなにダメなのか

  • 2018/03/13
  • ライフスタイル・娯楽
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  • のりき 夢丸
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お客さんに来てもらってナンボの世界で

お客さんに来てもらってナンボの世界で
オープン戦での初登板も無事に終え、ファンにちょっとだけ「おっ?」と思わせてくれている中日・松坂大輔投手(37)。
映像を見ても在りし日の豪速球がよみがえっているわけではないが、まあ一流半どころのバッターなら、積み重ねてきた「経験と洞察力」で打ち気をそらすことくらいは造作もない。
そんな感じの試運転だった。

ただこの一挙手一投足に熱い視線を送るファンが、いまだになんと多いことか。
口の悪い御仁は「松坂も客寄せパンダになっちまったか」と揶揄するが、とんでもない、彼が中日の「広告塔」としていくらもらっているか、みんな知ってるじゃないですか。

 

パンダだってもっと値段は高いのに

パンダだってもっと値段は高いのに
年俸1500万円プラス出来高制。
中国からいただいてくる親善パンダだって、もっと高いっちゅうの。

よく「もうお金じゃない」とか言って半分ボランティアのようなビジネスに精を出すオヤジがいますが、彼は自分が大好きなことをやるために、野球チームに入りたくて、のんでいる条件ですからね。
毎日球場でドラゴンズの旗を振りましょうとか、歌でも一曲歌いましょうとか、そんなおべんちゃら一言も言ってないわけで。

その意味では、別に魂をドラゴンズに売ったわけでもなんでもなく、純粋に野球人としての最終地を探しているジャーニーマンなのであります。

投げている球に魅力を感じなくても、のっしのっしマウンドに歩みを進めるだけでこんなに記事になるオトコ、ドラゴンズの中で他にいるんスか?
チケット完売、グッズバカ売れ…やっすい買い物ですよ、ホントに。

 

そこんとこを一番よくわかっているのが森監督

そこんとこを一番よくわかっているのが森監督
で、それを最も正確に理解しているのがフロントじゃなく、監督の森繁和氏(63)だというところがまたいい。
森さん自身も投手出身で、現役時代はホントに「コワモテ」しか印象になく(失礼!)、実力と雰囲気はピカイチのリリーバーだった方。
しかしその風貌とは逆に、裏方、選手たちの人望は厚く、また球界では人を見る目があることでもよく知られた人物だ。

今度の松坂獲得についても「オレがフロントに頼んだ」「いまの中日に必要だと思ったから」とあえて矢面に立ち、使っても使えなくても責任はオレに、のような引き受け方で外野を黙らせた。

しかし、森さんの眼鏡は曇っていない。いないどころか、松坂に一番厳しいのはこの監督本人であり「復活はまだまだ」「1か月に1回投げられれば」「ローテに入るなんて思ってない」「これからも普通には勝てない」とまあ、これが獲った本人かと思うばかりのこき下ろしぶりなんである。

でもこれはいい意味でビジネスライクだ。
松坂に対する接し方としては全然間違っていないし、彼の境遇と立場を理解すればこその「親心」だろうと思う。

 

パンダはいつまでパンダでいられるか

パンダはいつまでパンダでいられるか
さあ、オープン戦だけなら去年も投げた。
投げて何日か経てば違和感だって出てくるかもしれない。
「あーあ、またか」とファンが嘆くXデーがそこまで近づいているかもしれない。
しかし、しかし、なんである。

考えてもみてほしい。
もしシーズン中、登板こそ少ないものの、体は元気でベンチで声を出したり、若手に裏でアドバイスしたり、ブルペンに入り浸りになったりしたら…。
苦しい夏場過ぎに「谷間の先発」まで引き受ける予想外の展開になったりしたら…。
ここまでドラゴンズの「ダイスケ効果」を想像できるノー天気な自分も怖いが、そのソースとして使う年間1500万円は、大企業のプロジェクト予算としても破格の安さであると断言できよう。

マジメに考えれば、「勤続」疲労のあるダイスケは、みんながやれるんじゃないかと思っている「中継ぎ」仕事は、ハッキリ言ってできない。
彼の肩は「作る」「休ませる」「作る」…の中継ぎ独特のルーチンには耐えきれないからだ。
森さんはそこもわかっている。だから今年一年、どこでジョーカーを切るか、今から言うわけないし、また言えるわけないし。
でも、きっと、おもしろいことになりますよ。ドラゴンズが秋まで3位を維持できたらね。

この記事の作者

のりき 夢丸
のりき 夢丸
馬と日本酒と時代劇をこよなく愛するフリーライター。 モットーは「人の行く裏に道あり花の山」。 最近はドローンに興味津々の毎日。 競馬血統ブログ「ほぼ毎週競馬ナビ」にて執筆中。
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