いまのうちに知りたい軍事の知識~空母艦載機の変遷

  • 2017/05/21
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日本の空母艦載機

日本海軍の空母第一号として知られているのが鳳翔です。この鳳翔は他の艦種からの変更ではなく航空母艦として造られたものとしては、世界で最初に登場した空母でもあります。大正11年当時では、艦載する航空機も一〇式艦上戦闘機などの複葉機であり、その後の単葉傑作機とは程遠い機体を搭載していました。

日本の空母艦載機

空母機動部隊が実戦で活躍した時代として知られるのが第二次世界大戦当時ですが、この頃になると、主要各国の軍用機では、艦上機も含めて低翼単葉全金属製が主流となって行きます。日本海軍の代表的な機体が「九六式艦上戦闘機」であり、後継の「零式艦上戦闘機」です。また、艦上爆撃機と艦上攻撃機の分野では、九九式艦上爆撃機、九七式艦上攻撃機が主力となります。小型の空母鳳翔も大戦に参加していますが、搭載できる数が少ないことなどもあり、主力としての活躍の場はありませんでした。

その後、艦上機が大型化して行きますが、戦闘機に関しては後継機種である「烈風(れっぷう)が間に合わず、最後まで零式艦上戦闘機の各型が日本海軍の主力でした。しかし、艦上爆撃機では「彗星(すいせい)」が実戦投入され、艦上攻撃機では「天山(てんざん)」から「流星(りゅうせい)」まで新型機が登場しました。

ちなみに、艦上戦闘機とは制空権を確保するためや、艦上爆撃機や艦上攻撃機を護衛することを主任務とする空母搭載用の機種を指します。また、艦上爆撃機は“日本海軍においては”急降下爆撃を実施することが可能な空母搭載用の機種であり、艦上攻撃機とは雷撃(魚雷攻撃)が可能な空母搭載機を指します。但し、大戦末期には艦上爆撃機と艦上攻撃機を統合した機体と言える前述の流星も登場しました。

この時期のもうひとつの主な空母機動部隊運用国であるアメリカ海軍には、主要艦上戦闘機としてF4Fワイルドキャット~F6Fヘルキャットがあり、日本の艦上爆撃機や艦上攻撃機に相当する機体には、ドーントレス急降下爆撃機~ヘルダイバー急降下爆撃機、デバステーター雷撃機~アベンジャー雷撃機があります。

空母機動部隊が実戦で活躍した時代として知られるのが第二次世界大戦当時

 

大戦後の空母艦載機

日本海軍が消滅したことにより、今日の空母機動部隊としてはアメリカ海軍の空母打撃群くらいしか見ることができません。他に空母を保有している国がないわけではありませんが、事実上の機動部隊運用国はアメリカだけと言っても過言ではありません。そのため、少なくとも日本では空母艦載機も圧倒的にアメリカのものが知られています。

プロペラを回して飛んでいた空母艦載機は、大戦後しばらくしてジェットエンジン搭載の機種が主流となりました。その中でも傑作として知られているのがF4ファントムです。登場は大戦から15年後ですが、この頃には戦闘機同士が機関砲を撃ち合うドッグファイトから、遠距離でミサイル攻撃をするのが主流になりつつありました。また、ミサイルを搭載する重武装化が進めば、同じ機種の中でタイプを変えることにより、あるいはタイプを変えないでも爆撃機や攻撃機の役割を担うことができるようになり、戦闘機が多用途になることも意味します。

ちなみに、F4シリーズではF4EをJ版にしたものが航空自衛隊の主力戦闘機として長く使用されました。生産が終わったのが昭和56年ですが、現在もF4EJ改として一定数が運用されています。

その後、アメリカではA6イントルーダー艦上攻撃機やF14トムキャット艦上戦闘機などの有名な機体が登場しています。そして、現在では、戦闘機のFと攻撃機のAを一緒に付けたF/A18ホーネットがアメリカ海軍の主力となっています。世間では、専門特化の流れで別になるものが多いですが、この分野では戦闘爆撃攻撃偵察機とでも呼ぶべき一体化が見られます。特化した機体としては、時代を反映した電子戦に使用するEA-18(F/A18ベース)があります。

事実上の後継機となり得るのは…

また、小型の空母にも使える機体として、垂直離着陸戦闘機の需要もあり、こちらの分野ではイギリスのハリアーシリーズがあまりにも有名ですが、現在ではほとんど使用されていません。事実上の後継機となり得るのは、アメリカのF-35Bだと考えられます。これは、ときおり海上自衛隊の全通甲板ヘリコプター搭載護衛艦に載せるつもりではないかと疑われている機体ですが、実際に乗せるならホンモノの空母を造るでしょう。

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