レクサスがヨーロッパでは受け入れられていない訳

  • 2017/03/07
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順調に業績を伸ばしつつあるレクサスなのですが

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少し古いデータで申し訳ないのですが昨年の上半期、レクサスの販売実績は約31万9,000台だったそうです。
前年同期で対比すると105%、着々と販売実績を伸ばし続けるレクサス。
めでたいのですが……その内容を見ていくと、それほどめでたくもありません。
ヨーロッパでの苦戦は相変らず、好調なのは北米とアジア圏のみ。
以前から豊田章男社長はヨーロッパ市場の強化を打ち出しているのですが、相変らず苦戦中。
それはなぜなのか? という話です。

 

階級社会であることの再認識

ヨーロッパは階級社会ということは知られています。
例えば、イギリスの貴族。
ご主人が所有するのがロールスロイスとランドローバー。
ロールスロイスは街乗り、広い領内を見回るのにはランドローバー、奥様がご自身で運転されるのがバンデンプラ・プリンセス、これは「刑事貴族」で水谷豊さんが乗っていた車ですな。
そして、使用人がローバー・ミニ……まあ、どステレオタイプに例えるとそんな感じ。
社会的地位に応じて、乗るべき車は決まっているのがヨーロッパなのです。

 

何もかもが階級で決まっているもの

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車だけではありません、楽しむスポーツも決まっています。
上流階級はゴルフやテニス、フライフィッシング、労働者階級はサッカー。
ですから、接待ゴルフなどというものはイギリスでは絶対にありませんし、黒人のゴルフプレイヤーはイギリスというかヨーロッパ圏には存在しませんし、これから登場することもないでしょう。
これは、テニスの世界においても同じ……ちょっと、思い込みも入っているので間違っていたらゴメンナサイ。

 

ブランド力を付けていくにはどうするか?

つまり、レクサスが参入しようとしている高級車の市場は、既存のブランドでいっぱいいっぱい。
新参のレクサスなんぞが入り込む隙間がないのです。
加えて既存のブランドには、それに相応しいストーリーが付いてきます。
例えば高級車に分類されるブランドはほぼすべて、レースで輝かしい実績を積み重ねているもの。
こんなもの一朝一夕に付くものではありません。
レクサスもLFAでニュルブルクリンク24時間レースに参戦してみたりと積極性を見せていますが、BMWやポルシェなんぞ1970年代から参戦し、上位入賞を果たしてきているのですから、年期が違う。
ブランド力に大きな差が付いているのは、当然でしょう。

 

反して開放的なアメリカという社会

その点、アメリカは階級がありません。
そのことは、黒人のゴルフプレイヤーやテニスプレイヤーが活躍していることでも理解できるはず。
ヨーロッパでは上流階級に独占されているものでも、一般に門戸を広く開けているのがアメリカなのです。
そこに、クサビを打ち込むことに成功したのがレクサスというブランド。
新興のものであろうと、何であろうと優れているとなると取り入れてくれるのが、アメリカという優しい市場なのです。

 

アメリカに横たわる黒い影

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レクサスのヨーロッパ市場での苦戦は、恐らくこれからも続くでしょう。
反面、アメリカはもちろん、中国やインドなど新興市場での躍進で、その欧州での失敗を埋め合わせるという図式が続いていくのではないかと思うのです。
新しいものでも何でも、いったん認めれば受け入れてくれるアメリカの何と自由なことか!!
と思って、もう少し調べていくと、州によってはヨーロッパすらはるかに上回る閉鎖性を持っており、それらの多くがトランプ新大統領の支持層であることに気がついて、少々暗澹たる気持ちになるのですが。

 

この記事の作者

アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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