ストレスが溜まると全身に不調が出るのはなぜ?

  • 2017/07/03
  • ヘルスケア
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  • 八神千鈴
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ストレスは体に良くないと言うけれど

人間は延々とストレスを溜めて体調を崩すしかないのでしょうか。
ストレスが溜まると体調が悪くなるのは現代人の常識ですが、そもそもストレスとは体への負荷全般を指します。食事やセックスもストレスになるものなので、完全にストレスフリーな生活は事実上不可能といえます。
では、人間は延々とストレスを溜めて体調を崩すしかないのでしょうか。大変な仕事をたくさん抱えていても元気な人もいるのに……と不思議に思いますよね。そういう人はなぜストレスに負けないのでしょうか。その理由は、ストレスと密接な関係にある自律神経のはたらきを知るとわかります。
自律神経は意識的にコントロールできない呼吸や消化などの活動をスムーズに調整する役割を担っています。ストレスはこのはたらきを狂わせてしまうのです。

 

ストレスで乱れる自律神経のバランス

ストレスで乱れる自律神経のバランス
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、ふたつが状況に応じて切り替わりながら機能しています。
交感神経は活動の神経ともいわれ、全身が活動しやすいように緊張状態をつくります。一方の副交感神経は休息の神経ともいわれ、全身が休めるようリラックス状態にします。通常なら、このふたつの神経がきちんと交互にはたらいています。
しかし、ストレスが強くかかると交感神経が「生命の危機」と認識して過度にはたらき、緊張状態が続くようになってしまいます。こうして自律神経のバランスが乱れた結果、頭痛、動悸、下痢などの不調が出るのです。
この症状が重くなると自律神経失調症と診断され、治療が必要になることもあります。

 

交感神経の過度な緊張は血流を悪くする

自律神経は全身の血流も調整しています。
また、自律神経は全身の血流も調整しています。大事なプレゼンや告白をするときに心臓がドキドキするのは、交感神経が「戦い」に備えて全身の緊張を高めているためです。
交感神経はストレスがかかると「戦いのときがきた」と認識して緊張を促します。このときさかんに分泌されるホルモンがアドレナリンで、血圧を上げるために血管を収縮させる作用があります。
このため、ストレスがかかっている状態が長く続くと、全身の血流が悪くなってしまうのです。血液の役割はもちろん、細胞に酸素と栄養を運び、老廃物を回収すること。交感神経が強く反応し続けるとこの役割が阻害されてしまうので、疲れやすくなったり疲労の回復が遅くなったりするのです。

 

緊張とリラックスのバランスが大切

緊張とリラックスのバランスが大切です。
ストレスが体調不良の原因となる理由は、交感神経ががんばりすぎているからなので、バランスを整えるためには副交感神経の出番もつくってあげることが必要です。
つまり、ストレスにさらされても元気な人は、リラックスもきちんとできている人なのです。忙しくても休息時間を確保することが重要とよくいわれますが、それは脳や筋肉を休めるのと同時に自律神経のバランスを整えるためでもあります。
ただし副交感神経ばかりはたらかせていると、今度は全身にエンジンがかかりにくくなり、無気力になってしまいます。自律神経はバランスがとても重要。どちらか一方をはたらかせすぎないで、活動と休息のメリハリをつけた生活を心掛けましょう。

この記事の作者

八神千鈴
八神千鈴
編集プロダクション、出版社の編集者を経てフリーライター。現在は歴史系記事をメインに執筆。それ以前はアニメ、コスメ、エンタメ、占いなどのメディアに携わってきました。歴史はわかりづらいと思っている方にもわかりやすく、歴史のおもしろさをお伝えしたいです。
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