「ヌキ」が食べられるようになったら、蕎麦好きも一人前

  • 2016/09/30
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蕎麦を食べるのも落語家の修業

落語家の修業の1つに「蕎麦を食べる」ということがあります。といっても、味が云々ということではありません。寄席で落語を観ていて、時に感嘆させられるのが蕎麦を食うしぐさ。特にすする音。あれは、実際以上に旨そうに見えます、聞こえます。
ただし、名人上手と若手では、その音は決定的に違うのだとか。だから、まだ前座の若い落語家はカセットテープなどを持って蕎麦屋通い。自分が食べるときの音を録音しては、研究するんですね。

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posztos / Shutterstock.com

 

 

落語と蕎麦との深くかつ面倒な関係

落語と蕎麦には、そもそも深い関係があります。寄席でトリをとった真打ちは、その夜、弟子たちを引き連れて蕎麦屋へ行くのがきまり。弟子たちに酒と蕎麦をふるまうわけですが、といって自由に飲み食いするわけではなく、ここにもルールあり。まずは師匠が酒を一杯やり、弟子たちはそれを見るだけ。師匠の気分がやっとほぐれたところで、やおら箸を手にして号令1発。「かかれっ!」これを合図にみんな食べ始めるというのです。
東京の主だった寄席は上野・浅草・新宿の3ヵ所ですが、その周辺にある高級蕎麦屋(落語家たちはこれを「本寸法」といいます)は、若い前座の落語家の入店を許しません。上級の落語家かどうかは、着ている和服で一目瞭然。それが唐桟であれば、金を持っていようといまいと、「10年たったらまたおいで」と追い返してしまうのです。

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まだ未熟と判断されると、断られるメニューがある

それでは、二つ目以上になって本寸法の店に入れるようになり、これで万々歳かというと、実はここから先があります。落語家をよく知る蕎麦屋は、それぞれの力量の程度も熟知しています。だから、二つ目になったからといって、特別扱いはしません。というより、「あんたはまだ未熟だから」という意思表示の代わりとして注文を受け付けないメニューがあります。
それが「ヌキ」です。

 

 

手間のかかる「ヌキ」が通ってこそ本物の落語家

「ヌキ」というのは天ぷらそばや鴨南蛮そばなどのタネものからそばを抜いて(天ぷらそばは出世の証ともいわれますが)、具と汁だけに仕立てたものをいいますが、実際にはそばを抜いただけではありません。そばを抜いただけではつゆが濃すぎるので、つゆを出汁でのばし、いってみればお吸い物の状態にします。ということは、手間がかかる。だから、特別な人以外、ヌキの注文は断る蕎麦屋が大半なのです。
ヌキの注文が通るようになってはじめて、落語家は一人前の落語家として認められる、ということですね。

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落語家だけでなく、「ヌキ」は上得意客かどうかの判断のしるし

これは、実際には、落語家だけには限りません。
手間のかかるヌキは、ほとんどの店では、お品書きに表示していません。つまりは、裏メニュー。一般の蕎麦好きも、ヌキの注文が通ってやっと「上得意客」の座につける。それが、蕎麦屋の伝統的なしきたりのようです。
蕎麦好きの文人は「ヌキを肴に飲む酒が一番」と言いますが、ヌキをお品書きに入れている店も皆無ではありません。一度、お試しあれ。

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